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【上野】話題の「植物展」体験レポ 巨大・臭い・最古の植物集結

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最新の情報は公式HPなどでご確認ください。

東京・上野にある「国立科学博物館」では、2021年7月10日(土)〜9月20日(月・祝)の期間限定で、特別展「植物 地球を支える仲間たち」を開催中です。楽しみながら植物の生態を学べるとあって、自由研究にもおすすめです。そこで今回は、夏休みのおでかけにも最適な同展の楽しみ方を紹介していきます。

特別展「植物 地球を支える仲間たち」とは

特別展「植物 地球を支える仲間たち」は、食虫植物や多肉植物、「○○○すぎる」珍妙な植物など、不思議な植物の展示を通じて、知られざる植物ワールドを体感できる展覧会です。驚きの生存戦略や、進化の過程、光合成を含めた植物の成長メカニズムなど、さまざまな観点から植物を総合的に紹介する、これまでにない内容になっています。

会場は、テーマ別に7エリアで構成されています。

  • 第1章:植物という生き方
  • 第2章:地球にはどんな植物が存在しているのか
  • 第3章:植物の形と成長
  • 第4章:植物はどのように進化してきたか
  • 第5章:本当は怖い植物たち
  • 第6章:生命の源、光合成
  • 第7章:目指せ、植物研究者!

いずれのエリアも、最新の研究成果をもとに、生体展示や標本、実寸大&拡大模型、映像、音楽、香り、インタレーション展示など、さまざまな手法を活用して、わかりやすく解説されています。

普段見ることができない不思議な植物たちは、見ているだけでも楽しく、また遺伝子や光合成といった難しいテーマもゲーム感覚で学べる仕掛けが施されています。楽しみながら植物の実像や魅力に迫っていく内容で、自由研究の題材にもピッタリですよ。

より楽しむためのポイント!

会場の外には、ロッカー、傘立て、ベビーカー置き場があります。近づいて観賞できる展示もあるので、荷物は少ないほうがおすすめです。利用してみてくださいね。

抱っこ紐などを持参しておくと便利です。


行く前にチェック! 各エリアの見どころ

それでは早速、各エリアの見どころを紹介していきます。

より楽しむためのポイント!

展覧会は、「音声ガイド」を聞きながら巡るとより楽しめます! 見逃してしまいそうな注目ポイントを、しっかりとフォローしてくれます。ヘッドホン装着&操作も簡単なので、子供でも利用できますよ。

メインナビゲーターは、芸能界屈指の植物好きとして知られる俳優・滝藤賢一さん。声優・鬼頭明里さんが務める、植物が大好きな女の子・ミドリンと対話しながら、植物の世界へ案内します。

貸出料金は、1台につき一般・大学生は600円、高校生以下は550円です。

第1章:植物にも五感がある!

第1章は、植物がどのように周りの環境を感じているかについて学べるエリアです。じつは、植物にも「視覚・聴覚・触覚・味覚・嗅覚」の五感が備わっているのだそう。「ケサヤバナ」という植物を用いて、植物が重力を感じていることがわかる実験展示などが見られます。

ほかにも、植物とほかの生きものとのコミュニケーション方法や、奇妙な進化を遂げた植物についても紹介しています。

第2章:「〇〇すぎる植物」が大集合!

第2章は「〇〇すぎる植物たち」がテーマ。世界最大の花や、大きすぎる幹を持つ植物、長生きすぎる葉、小さすぎる種子など、見た目のインパクト抜群の植物が数多く展示されています。どんぐりや松ぼっくりなど、身近な植物もあり、興味をひかれること間違いなし!

天井に飾られている布は、ある植物の「〇〇すぎる」部分を再現しています。なんだと思いますか? ぜひ、会場で答え合わせをしてみてくださいね。

1番の注目は、大きすぎる巨大花「ショクダイオオコンニャク」の実寸大模型。高さはなんと2.72mもあります! 数年に1度、短時間だけ開花する植物としても有名ですが、貴重な開花シーンを記録した映像資料も紹介されています。

ショクダイオオコンニャクは、「強烈にくさい」香りを放つことでも知られています。会場内には、再現した香りを実際にかぐことができる装置も登場。「生ごみのよう」「腐った肉のよう」「たくあんに似ている」「臭いけど甘い香りが一瞬する」など、人によってさまざまな感じ方がある香りなので、ぜひ、親子で体験をしてみてくださいね!

第3章:超貴重! 青いキク

第3章は、植物の成長や細胞、遺伝子について学べるエリアです。理科や生物の授業で習う分野なので、小さい年齢の子供には難しい内容かもしれませんが、小学生以上の子供なら興味が持てるはず。

遺伝子組み換え植物として、世界で初めて開発に成功した貴重な「青いキク」が展示されています。専門的な解説もあり、大人も見ごたえ十分です。

ほかにも、「青いバラ」や「光るトレニア」などもあります。

第4章:世界初公開! 最古の植物化石

第4章は、化石や復原イラストなどの資料を見ながら、植物がどのような進化を辿ってきたのか学べるエリアです。同展では、目に見える大きさの化石として最古の植物化石「クックソニア・バランディ」(チェコ国立博物館所蔵)を世界で初公開しています。最も初期の維管束植物とされている貴重な化石です。

ほかにも、初期の陸上植物や裸子植物、被子植物など、長い歴史の中で進化を続けているさまざまな植物の化石や模型に出会えます。

第5章:大人気! 食虫植物の巨大模型

第5章は、植物の「怖い」一面にスポットライトを当てたエリアです。

最初に、園芸店やホームセンターでも見かけるようになった「食虫植物」の世界が広がります。「ハエトリソウ」の巨大模型では、ハエが捕まっています。

生体展示は、不気味な雰囲気のなかにも神秘さを感じられ、大人も見入ってしまいますよ。

怖い植物として「凶暴な果実」も紹介されています。たとえば、「ウンカリナ・グランディディエリ」の果実(写真)は、果実全体に最長2cmほどの長さが異なるトゲが付いています。見た目はかわいらしいのですが、トゲを拡大してみるとビックリ!

先端は錨(いかり)状の「かえし」になっています。とっても鋭利なので、衣服や皮膚を簡単に破いてしまうとか。「美しい花にはトゲがある」という事例をたくさん紹介しています。

第6章:参加型展示で光合成メカニズムを体験!

第6章は、植物が獲得した能力「光合成」のメカニズムについて学べるエリアです。ここには、インスタレーション展示と呼ばれる大型ゲーム「光合成FACTORY(ファクトリー)」が登場! 葉っぱの中にある光合成工場をイメージした空間で、光を生み出す仕組みを楽しみながら学んでいきます。簡単なようで難しい光合成の仕組みですが、子供が興味関心を深められるようになっていますよ。

植物展の公式サイトでは、スマートフォンのブラウザで遊べる「光合成FACTORY(ファクトリー)」を無料で公開中。自宅で練習をしてから会場で遊ぶと、さらに楽しめますよ。

「光合成FACTORY(ファクトリー)」で遊ぶ

第7章:植物研究のおもしろさを紹介

第7章は、植物研究の事例を紹介しているエリアです。若手研究者が、それぞれの研究内容や、研究者になろうと思ったきっかけ、うれしかったこと、興奮したことなどを紹介。植物研究のおもしろさを伝えます。

20テーマほどの研究事例のほか、植物研究のアイデアや切り口の紹介もあります。夏の自由研究のテーマが見つかるかも!

より楽しむためのポイント!

展示エリアが終わると、グッズ売り場があります。おすすめは、公式ガイドブック(2,200円)。59人の研究者が執筆を担当し、写真などとともに、植物研究の初歩から最先端までを収載しています。読み応え&見応えたっぷりの1冊です。

ほかにも、人気図鑑や文房具、親子で着られるTシャツシリーズ、キーホルダー、ぬいぐるみなど個性豊かなグッズが勢ぞろいしています。

新型コロナウイルス感染症拡大防止への取り組み

同展では、新型コロナウイルス感染拡大防止策として、展示室内でのマスク着用必須、咳エチケットの協力要請、ソーシャルディスタンスを確保した観賞などを呼び掛けています。ほかにも、スタッフのマスク着用、手指用アルコール消毒液の設置、検温実施など各種対策を行っています。

入場チケットは日時指定予約制

新型コロナウイルス感染防止のため、時間帯ごとに定員を設けての入場を実施しており、公式チケットサイトから日時指定予約が必要です。

また、同展を観覧した場合、同日に限り常設展(地球館・日本館)も利用できますが、指定日時前の常設展入場はできません。また、入場日時によって常設展が閉館している場合があります。チケットの詳しい購入方法や利用注意点などを、公式サイトで確認しておきましょう。

会期終盤は予約が取りづらくなることが予想されているので、会期序盤や平日の来場がおすすめとのこと。なお、2022年1月14日(金)〜4月3日(日)には、大阪市立自然史博物館でも開催が予定されています。

子供に人気の恐竜や動物の展覧会とは、またひと味違った魅力がいっぱいの植物展。今年の夏休みは、親子で楽しみながら植物について学んでみましょう!

■特別展 植物 地球を支える仲間たち
開催期間:2021年7月10日(土)〜9月20日(月・祝)
時間::9:00〜17:00(最終入場は16:30)
休館日:7月12日(月)、9月6日(月)
場所:国立科学博物館
予約:全日程で日時指定予約制
料金: 一般・大学生:1,900円、小・中・高校生:600円
※未就学児は無料
※障がい者手帳所有者、およびその介護者1人は無料

公式サイト
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