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日本科学未来館に新常設展オープン! ロボットや金星探査機も

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東京お台場にある日本科学未来館の常設展示に、4つの新展示が登場しました! 科学の最先端技術を体感でき、実験教室や企画展、映像シアター、無料キッズゾーンなどがある国立の科学館ですが、新展示ではどのようかことができるのでしょうか? ここでご紹介します。

【新展示1】アクティブでいこう! ものぐさ→アスリート化計画

自然に「運動したい」と思わせることを目指した、最新のテクノロジーを展示しているコーナーです。実際に体感できる展示がいくつも用意されていました。

「スマート・センシング・ウェア」技術

普段着にセンサーを組み込み、体温や心拍数、関節の角度など、さまざまな生体情報を取得する技術です。展示では「心衣(こころも)」と名付けられたウェアが着ている人の生体情報を取得し、リアルタイムで画面に表示されるところを見ることができます。

「空間シェアリング」技術

超音波を利用して、決まった範囲だけに聞こえる音を出す技術。展示されているスピーカーは3種類。音楽を聞きながら運動をしたいという人は多いと思いますが、この技術を応用すると、自分や限られた範囲の人だけで音楽を楽しむことができるので、周囲の迷惑を気にする必要がなくなります。エンターテインメント業界にも生かされそうな技術ですね。

■「音玉(おとだま)」
非常に限られた範囲のみ音が聞こえるスピーカー。スピーカーの間近まで耳を近づけると、ふっと音が聞こえるようになります。音量が小さいのとは違う、不思議な感覚です。

■「音扇(おんせん)」
曲面のスピーカーから扇状の範囲内だけに聞こえる音を出すことができます。
展示では、センサーが人のいる範囲を認識して、自動で音の聞こえる範囲が変化するのを体験できました。

■「音的(おとまと)」
人の動きに合わせてスピーカーの向きが変わり、狙った相手だけに音を聞かせるというもの。スピーカーの前で左右に動いてみると、まるで意思があるかのようにこちらを向いて音を聞かせてくるのが驚くと同時にちょっとかわいいです。

インタラクティブ展示「おえかきんでん」

上記2つの技術を組み合わせた体験型の展示です。腕に力を入れると流れる微弱な電気信号をセンサーで読み取り、それによって画面に映るグラフィックや超音波スピーカーから流れる音を生み出すというものです。

展示では3人が分担して、画面に映る人、街並み(赤い線で表示)、音符の位置を上下させて都市の風景を作っていきます。腕への力の入れ具合で流れる電気信号が変化し、その強弱でキャラクターが画面を上下する仕組みです。同時に、自分だけに聞こえる音楽が作り出されます。

キャラクターは力を入れると上へ、力を抜くと下へ移動します。思いどおりに動かすのはなかなか難しいのですが、腕に力を入れるだけで画面が変化するのが新鮮で楽しいです。

プレイするときは腕にセンサーを巻きます。腕に力を入れるには手をにぎる動作が必要なので、力を入れやすようにハンドグリップなどの握るものが置かれています。この展示が家にあれば楽しく握力が鍛えられそうでした。

【新展示2】インターネット物理モデル2017

目に見えないデジタル信号をやりとりするインターネットの仕組みを物理的に再現した展示です。情報がデジタル信号で伝わっていく様子を実際に目で見ることができます。2001年の開館当初からある人気展示ですが、今回リニューアル! これまでは「文字」のみデジタル変換することができましたが、新たに「音」と「動き」も可能になっています。

実際のインターネットは、文字や音などの情報を2進法と呼ばれる「0と1」の組み合わせによって、デジタル信号にしてやりとりしています。この展示では、その「0と1」を「白と黒」のボールに置き換えることで可視化。白と黒のボールを送信器に正しく並べて送信するとボールがレールを流れていき、それを受け取った受信器で情報(文字や音、動き)が再現される仕組みになっています。

では、簡単に流れを紹介しましょう。最初に、データスティックという棒をデータ作成器にセット。ここで送りたい情報を入力すると、それがデジタル変換され、スティックに白と黒の丸で表示されます。写真は、受信器側にある「鳥」の動き(回転方向)をレバーで入力したところです。

次に、データ作成器からデータスティックを外して送信器にセットし、送り先を指定。これで情報を送るのに必要な「送信先/送信元/鳥の動きの情報」が、白と黒の丸の並び順というかたちでそろいました。あとはその見本のとおりに、溝に白と黒のボールを並べたら、送信ボタンをプッシュ!

並んだ白と黒のボールがレールを移動。途中に経由する銀のタワーは、ボールの色をセンサーで見分けて送り先を振り分ける機能があります。仕組みとしては少し難しいですが、機械がガッチャンガッチャンと動くところやボールが螺旋状のレールを転がっていく様子は、見ているだけで楽しいです。

ボールが受信器にたどり着くと、情報が表示されます。「鳥の動き」の場合は、上の写真の鳥が回転。文字の場合は下の写真のように表示されます。ここまで読んで難しそうに思えるかもしれませんが、実際にやってみると操作はとても簡単。送った情報が受信器で表示されると思わずうれしくなってしまいました。

【新展示3】機械人間「オルタ」

「オルタ」は、常設展示「アンドロイド— 人間って、なんだ?」に新たに加わったロボットです。上半身のみの体は機械がむき出しですが、複雑な動きで「生命らしさ」を表現しています。

生物の神経回路を真似たプログラムによって、常に上半身を動かし続けるオルタ。足元にはセンサーがあり、展示を見ている人との距離を測って自分の動きに反映する学習能力も持っています。一見ランダムに動いているように見えますが、じっと見ているとどこか人間らしさが感じられる瞬間も…?

【新展示4】金星探査機「あかつき」の挑戦

金星探査機「あかつき」は日本初の惑星周回衛星。2010年5月に打ち上げられ、その5年後の2015年12月に金星への軌道投入に成功しました。この展示では、プロジェクトにまつわる資料を見ることができます。

展示で一番目を引くのは、あかつきの模型。実際の衛星は本体部分が1.04m×1.45m×1.40mの大きさですが、展示は1/5サイズに縮小したものです。普段見ることのできない人工衛星がどんな形をしているのか、手にとるように確認できました。

アンテナやリチウムイオン電池など、あかつきに搭載されている部品の同等品が5点展示されています。今後も、あかつきの金星観測によってもたらされる成果が随時追加されていくそうです。

今回紹介した新展示以外にも、多彩な常設展示や実験教室、トークイベントなどが楽しい日本科学未来館。現在は2017年9月24日(日)まで企画展「ディズニー・アート展 いのちを吹き込む魔法」も開催中なので、ぜひ足を運んでみてくださいね!

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