日本科学未来館が、2016年4 月20 日(水)に常設展をリニューアルオープンしました。新しい展示の追加のほか、ドームシアターでの新作の上映、ワークショップやトークイベントを行うアクティビティ・スペースの整備など、2001 年のオープン以来初の本格的なリニューアルとなります。
見て、触って、楽しめる新たな展示を紹介
「100億人でサバイバル」をはじめ「未来逆算思考」や「ジオ・プリズム」など、新たに6つの展示が新設されました。いずれも展示を見るだけでなく、実際に触ったり、ゲームをプレイしたりするなど、体験しながら地球や宇宙、科学についてを学ぶことができます。
100億人でサバイバル
地震や噴火などの自然災害は、私たちの暮らしに大きな被害を与えてきました。さらに、科学技術や移動手段が発達した現代では、感染症の拡大、異常気象の増加、原発事故など、思いもよらなかった新たな災害も生まれています。
この展示では、さまざまな災害が起こるしくみやその被害を理解することができます。21世紀の地球にくらす私たちが、この地球で生き延びていくために、今、何をすべきなのか、いっしょに考えてみましょう。
【場所】 5階「世界をさぐる」内
未来逆算思考
50年後に暮らす子孫たちに、どんな地球を贈ることができるのか、ゲーム形式でアクティブに体験する展示です。私たちが暮らす豊かな地球を次世代に受け継いでいくために、なにをしたらよいのでしょうか?
さまざまな課題を乗り越えながら、自分が選んだ理想の地球をゴールまで届ける体験を通して、理想の地球を実現していくために必要な科学技術やライフスタイルを考えてみましょう。
【場所】 3階「未来をつくる」内
ノーベルQ ノーベル賞受賞者たちからの問い
ノーベル賞は、ダイナマイトの発明者として知られるアルフレッド・ノーベルの遺言によって設立された賞で、「人類の幸福にもっとも貢献した人」に贈られます。
この展示では、未来館を訪れたノーベル賞受賞者たちから、「来館者にいつまでも考え続けてもらいたい問い」をいただき、メッセージとして紹介しています。個性豊かな問いかけにあなたならどう答えるか、自由に考えてみてください。
【場所】 3階「未来をつくる」内
ジオ・プリズム
シンボルゾーンとオーバルブリッジに設置されたタッチスクリーン端末。AR(拡張現実感)技術を用いて、地球ディスプレイ「ジオ・コスモス」にデータやシミュレーションを重ねて表示できるシステムです。
CGと複数のカメラからの映像をダイナミックに織りまぜたデータを見ることができます。
【コンテンツ】
・海洋大循環シミュレーション
・水循環変動観測衛星「しずく」
【場所】 3〜5階「オーバルブリッジ」、1階シンボルゾーン
ジオ・コックピット
3階と5階をつなぐオーバルブリッジの中央にあるジオ・コックピットは、ジオ・コスモスをはじめとするさまざまな「ジオ・ツール」のデータを一括管理するコントロールルームです。
国内外とのオープンなコラボレーションの透明性と軽快感をコンセプトにデザインされ、薄い強化ガラスによる曲線を用いた世界初のインテリアとして製作されました。
【場所】 3〜5階「オーバルブリッジ」
フロンティアラボ
人類の探究心は深海など地球の深部、さらには太陽系やはるか遠い宇宙へと限りなく拡がってきました。ここでは、そのような挑戦を続けるフロンティア研究の営みを紹介します。
宇宙空間をみつめる巨大な望遠鏡「すばる望遠鏡」や世界最高の掘削能力をもつ地球深部探査船「ちきゅう」の模型、H-IIAロケットのメインエンジンの実物、極限環境で生きる深海生物「ユノハナガニ」などの展示物が並びます。
【場所】 5階「世界をさぐる」内
ドームシアターに新コンテンツが誕生!
物理学の究極の目標である「万物の理論」をテーマにした3Dドーム映像作品です。
素粒子のミクロ世界と、宇宙のマクロ世界をあらわす二つの理論は矛盾しており、理論物理学者たちはこの二つを統一する「万物の理論」を見つけようとしています。その最も有力な仮説である「超弦理論」が提示する驚きの世界とは?
演出を手がけるのは、『呪怨』や『魔女の宅急便』などで知られる映画監督の清水崇氏。難解な数式で表現される理論物理学の最前線を、エンターテインメント性あふれる実写と精緻なCG・データビジュアライゼーションを融合させた映像で体感できます。
ミニトークやワークショップが展開するアクティビティも
新設された「コ・スタジオ」は、最新の科学トピックについて、科学コミュニケーターやボランティアとともに語り、考えるスペースです。
ミニトークやワークショップなど、毎日多彩なメニューを体験できるほか、研究者から直接話を聞いたり、質問したりできるトークイベントも開催します。
【場所】 5階「世界をさぐる」内
日常生活でも使える公式アプリも登場!
スマートフォンアプリ「Miraikanノート」は、未来館はもちろん、日常生活のなかでも使えるアプリです。
テーマは、“「問い」を見つけて、考えて、アクションする” 。これは未来館が提案する「未来をつくる思考法」です。
誰もがこのアプリを使って、問い、考え、自分なりの答えを見つけ、そして日々の生活や社会のなかで実際に行動してみる、というプロセスを体験できるようになっています。
地球や宇宙など、壮大なテーマを身近に感じられる展示が増え、これまで以上に子どもと一緒に楽しみやすくなった日本科学未来館。
2016年4月20日(水)〜4月24日(日)は、リニューアル記念として、常設展入場とドームシアターの鑑賞が無料となりますので、週末のお出かけ候補にぜひいかがでしょうか?