海に囲まれた日本に暮らす私たち。しかし、海で遊ぶとなると、危険性やおでかけの手間などから、なかなか機会がないという家族も多いのでは? そこで今回は、手軽に楽しめる海遊びとして、「シュノーケリング(スノーケリング)体験」を紹介!
千葉県館山市にあるダイビングサービス「西川名オーシャンパーク」の寺本さんのガイドを受けながら、「いこーよ」モニターの木村さんファミリー(アキトくん7歳、ナツナちゃん4歳、パパ)が体験する様子をレポート。シュノーケリングの魅力をお届けまします。
「シュノーケリング」とは?
シュノーケリングは、シュノーケルという呼吸するためのパイプ、目と鼻をおおうマスク(水中メガネ)、足につけるフィンの3つを装着して、水面を泳ぎながら水中の様子を見て楽しむマリンレジャーです。
海に潜って楽しむレジャーというと、空気を詰めたタンクを背負って、長時間深さ何mも潜る「スキューバダイビング」をイメージする人も多いかもしれませんが、シュノーケリングの場合、タンクは背負わず、シュノーケルで呼吸ができる海面を泳ぐので、ダイビングに比べると格段に手軽に楽しめます。
なお、体験するなら水温が高くなる7〜9月ごろがおすすめです。
シュノーケリングは何歳からOK? 泳げなくてもできる?
シュノーケリングは、特別な資格などは必要なく、道具さえあれば誰でもできるレジャーです。ただ、未経験の人や道具を持っていない人、より安全に体験したい人などは、ガイドしてくれるダイビングショップを利用するのがおすすめ!
何歳から体験できるかはダイビングショップによって異なります。今回ガイドをお願いした「西川名オーシャンパーク」では5歳を目安にしていますが、身長や足のサイズを確認して、ショップに道具がそろっているようなら体験可能です。
今回体験したメンバーのうち、ナツナちゃんは4歳でしたが、身長・体重・足のサイズを伝えたところ、マリンシューズ以外はショップにそろっていたので、持参することで体験できました。
また、泳力についても、泳げなくても体験OKのダイビングショップが多数あります。「西川名オーシャンパーク」では、体が浮きやすくなるウェットスーツを装着するほか、浮き輪代わりのタイヤに捕まりながら体験できるので、泳げない人も楽しめますよ。
シュノーケリングに最適な服装や注意点は?
「西川名オーシャンパーク」では、シュノーケル、マスク、フィン、ウェットスーツ、マリンブーツのレンタルが体験料金の中に含まれています。そのため、自分で用意するのは水着のみでOK。
水着は、男性のトランクスタイプなどガバガバしたものだと、ウェットスーツを着る際に邪魔になるので、体にぴったりしたものを用意するのがおすすめ。ない場合は、ボクサータイプの通常の下着を代わりにしてもよいそうです。
身長107cmのナツナちゃんは、一番小さなサイズのウェットスーツでも大きかったので、すそを折って着用しました。
それ以外では、タオルや日焼け止めなど海で遊ぶために必要なものを準備しておきましょう。近くに海の家など休憩できる場所がない場合は、水分補給用の水筒なども用意したいところ。
なお、メガネの上からシュノーケリングのマスクを付けることはできないので、視力が悪い方は要注意。度付きのマスクを使用するのがベストですが、コンタクトレンズは使えるので、使い捨てのものを用意するのも手です。
シュノーケリング体験時に用意しておきたいもの
・水着(ウェットスーツの下に着るので、なるべく体にぴったりとしたもの)
・タオル
・日焼け止め
・髪が長い人はヘアゴム
・マリンシューズ(小さい子用)
・水筒(水分補給用)
※視力の悪い人は度付きのマスクか、使い捨てコンタクトレンズ
体験開始! ガイドのレクチャーで初心者も安心
ウェットスーツに着替えたら、ガイドの寺本さんから、まずはシュノーケルとマスクについてレクチャー。
寺本さんが持つマスクを見て、「これ、水中ゴーグル?」とアキトくん。
「そうそう。でもちょっと違うのが、水中ゴーグルには鼻のカバーはないでしょ? このマスクは鼻も隠れます」と違いを教えてくれます。
続いて、シュノーケルのくわえ方。「あ」の形に口を開いてマウスピースを口に入れ、「い」の形でマウスピースを軽く歯で噛み、「う」の形に口をすぼめます。
さらに、シュノーケルの中に水が入ってきたときに、シュノーケルの先端から水を噴き出す「シュノーケルクリア」の方法も教えてもらいました。
シュノーケリング体験スタート! 海の世界に大興奮!!
事前レクチャーも終了し、いよいよ磯へ移動して体験スタート! 今回の体験に同行しているママとタカトくん(2歳)は海辺で磯遊びしながらお留守番です。
足元がすべるので転ばないよう注意!
海に入ったら岩場に腰をかけて水中でフィンを装着。脱げないようしっかり固定します。
泳ぎ出す前に、さきほどレクチャーを受けたシュノーケルクリアの練習をします。シュノーケル内に海水が入ってくると、慌てて水を飲んでしまったり、パニックになったりすることがあるので、しっかり練習しておくことが大切です。
浮き輪代わりのタイヤにつかまって、ちょっとずつ水に慣れていきます。
体をリラックスさせて、いよいよ顔を水につけて水中をのぞきます。
海の中は、ホンダワラやナガミルといった海藻の合間をたくさんの魚が泳いでいます。夢中になって海中の様子を楽しむアキトくんとナツナちゃん。
ガイドの寺本さんが引っ張る浮き輪に捕まって、少しずつ深いところへ泳いでいきます。海の世界に夢中な2人は、ずっと顔を水につけたまま。シュノーケルの扱いもバッチリ!
長い時間泳ぐ体力がなくても、浮き輪が休憩ポイントになるので、子供もじっくりと海の世界を堪能できます。
海の中を楽しむナツナちゃん。水中カメラに向かってピース!
「ウツボがいた!」(アキトくん)
「虹色の魚がいたよ!」(ナツナちゃん)
海の中は新しい発見がいっぱい。虹色の魚はニシキベラといって、今回一番多く見かけた魚でした。ウツボの名前を聞いて警戒するパパでしたが、「こちらから何かしなければ噛みつかないですよ」とガイドの寺本さん。
体験中にどんどん水泳スキルがあがるアキトくん。子供の成長ってすごい!
ナツナちゃんも浮き輪につかまらずに泳ぐ練習。
一方、ママとタカトくんは、磯遊びを満喫。「西川名オーシャンパーク」のスタッフさんが、バケツを用意して、カニやヤドカリなどをつかまえてくれました。
「持って帰る!」と言う子供たちをなだめ、あとでちゃんと磯に返しました。
磯遊びを楽しむタカトくんの様子に、アキトくんも途中から上陸して生き物探しへ。一方、海藻遊びに夢中のナツナちゃんはまだまだ海中を見ていたいと、再び寺本さんと海へ向かいます。
そのあと、戻ってきた寺本さんが「珍しい生き物がいたよ」と、そっとアキトくんの手のひらにのせたのは、ヒラムシというウミウシの仲間。小さな触覚を動かしながら、するすると手の平から甲に移動するヒラムシの感触に「くすぐったい!」とアキトくん。
名残惜しさを感じながら、1時間ほどで今回の体験は終了しました。
シュノーケリングを楽しむコツは?
あらためて、ガイドの寺本さんにシュノーケリングを楽しむコツを聞いてみました。
「とにかくまずはリラックスして、水に慣れちゃうこと。体が沈まないとわかってしまえば、あとはもう大丈夫です。きれいな魚も貝もいるし、陸では見られない世界を体験できますよ。あとは、潜る前にレクチャーしたシュノーケルクリアができること。波が来たときに水の出し方がわからず、水を飲んでパニックになっちゃうとよくないので」(寺本)。
これはやってはいけないというNG行為はありますか?
「無理して潜るようなことは慣れないうちはやらない方がいいですね。あとは、海の生き物は獲らないこと」(寺本)。
どんなにきれいな魚でも、獲って持ち帰ろうとせず、自然にある状態を楽しむことが大切ですね。また、海の中の生き物は危険なものも多いので、正体がわからないうちはさわらないようにしましょう。
初体験の7歳&4歳でも楽しめた! シュノーケリングの魅力
終わったあとも、「まだ帰りたくない!」とすっかりシュノーケリングの魅力にハマったアキトくんとナツナちゃん。シャワーを浴びて着替えてからも「楽しかったね」とご機嫌。
「一番楽しかったのは何?」と聞くと、「海藻で遊んだのが楽しかった!」とナツナちゃん。アキトくんは「これ(ヒラムシ)さわったとき! くすぐったかった」とのことですが、結局は「全部楽しい!」とのことでした!
一方、学生時代以来15年以上ぶりのシュノーケリング体験だったというパパも、「子供達の発見が新鮮で、大人になってから始めるのと全然違いますね」と、親子で楽しめたことを喜んでいました。
お留守番だったママも、「最初は時間を持て余したら休憩所まで戻ってこようと思っていたんですけど、磯で遊んでいたら、あっという間でした。タカト自身も水遊びが好きで、子供のあとをついていったら同じように面白い発見ができました。いつものおでかけだと、お留守番チームはだいたいあまり面白くないのですが、今日は楽しかったですね」と笑顔でした。
また、「アキトは、ウェットスーツに着替えたときから顔が変わりましたね。あとフィンを見た瞬間のわくわく感が伝わってきました」と、子供の変化をしっかりと感じとっていました。
夏に、子供に新しい体験をさせてみたいと思っているファミリーにおすすめのシュノーケリング体験。今回の取材で20年ぶりに海に入ったライターも、体が浮きやすいウェットスーツのおかげか、安心して楽しむことができました。
「何年も泳いでないし…」という方も、ぜひ子供と一緒に海中散歩を楽しんで、貴重な夏の思い出を作ってくださいね!
今回の体験料金
小学生:1人4,730円
大人(中学生以上):1人6,050円
※海面使用料を含む
※税込