お笑い芸人であり、1児のパパでもある筆者が、東京23区の公園を全制覇することを目指して、時間の許す限り公園巡りをする「公園全制覇の旅」。実際に行ったからこそわかる各公園の魅力や特徴、がっかり感など、毎回選りすぐりの情報を独自の視点でお届けします。
第11回目の今回は、皇居や国会議事堂などがある日本の政治の中枢「千代田区」の公園を調査します。
今回制覇した公園の数:千代田区の公園18カ所
この日巡った公園は飯田橋駅から九段下、神保町駅周辺の18カ所。自転車で5時間半かけてチェックしました。なかでも気になった公園を5つと、がっかりした公園を1つ紹介します!
おすすめ公園1:外濠公園
江戸城の外堀沿いに長さ2kmにわたって続く「外濠公園」は言わずと知れたお花見の名所。私も何度か桜を見に訪れたことがありますが、川沿いを歩きながら電車も見られて、とてもいい散歩コースです。
比較的新しくユニークな遊具も充実しており、この日も子どもたちが入れ替わりで遊んでいました。広くはないのですが、川沿いなので開放感もあり、とても気持ちのよい公園です。
おすすめ公園2:東郷元帥記念公園
名前のインパクトがすごいですが、それもそのはず。日露戦争で活躍した、東郷平八郎の記念会から寄付された公園なのだそう。じゃぶじゃぶ池やアスレチックなどの遊具が多くあり、この日巡った公園で一番にぎわっていました。
子ども向けの遊具のほかに健康遊具も設置されているので、子どもから年輩の方まで、幅広い年齢の人が楽しめる公園です。高低差のある公園で広場も上下2つに分かれています。そのほか子ども専用トイレもあったりして、施設が充実した公園でした。
おすすめ公園3:富士見児童公園
それほど広くないのですが、その分限りある土地をうまく利用して作られた公園です。狭い土地に大きな遊具を置くと窮屈になってしまいがちですが、高低差をうまく利用してすべり台を設置するなど、遊具の配置を工夫しているのがポイント!
ダンジョンのような複雑な作りの遊具を見ていたらワクワク感が高まり、気づけば遊具でひと通り遊んでしまいました(笑)。秘密基地感もある富士見児童公園、おすすめです。
おすすめ公園4:錦華公園
この公園のポイントは2つ。砂場にある昭和の雰囲気を感じるすべり台と、その奥にある斜面を利用して作られた石段です。お昼時に行ったのですが、近くに大学やオフィスもあるので、お弁当を食べて談笑している学生や会社員が多くいました。
時間帯もあって親子が遊ぶ姿はありませんでしたが、公園の隣りには幼稚園もあったので、あのすべり台と石段を使ってどう遊ぶのか見てみたかったです。大人も子どもも楽しめる公園だったらいいなと思います!
おすすめ公園5: 西神田公園
「たわわの小径」という名の小道が入口になっている公園。その名の通り、ここには季節ごとにミカンやアンズ、カキなどの果実がたわわに実ります。
果物をお店で買うだけではどのように木になっているのかわかりませんが、このように公園に果物の木があると、遊びながら子どもと一緒に学べて、食育にもなります。公園は遊ぶだけでなく、学ぶことがたくさんある。そう思わせてくれる素敵な公園です。
がっかり公園:神保町愛全公園
遊具はなく、噴水と池があり、自然を眺めて休憩するイメージの静かな公園です。公園の片隅には日中平和友好条約締結20周年、周恩来生誕100周年を記念し建てられた石碑がひっそりと置かれています。
「周恩来ここに学ぶ」と記されている通り、周恩来が日本に留学に来た際に学んだ東亜高等予備学校の跡地に作られた公園。とはいえ、実際には公園ではなく喫煙所という印象が強かったです。
これまで巡ってきたほかの地域にも言えることですが、都内には公園という名前でも実態は喫煙所になってしまっているところが残念ながら多くあります。この公園は一応喫煙スペースと遊ぶスペースは分かれているのですが、たばこの煙が流れてくるので、子どもが遊ぶのにはあまりおすすめできません。あくまでも公園なのでもう少し配慮してもらえるといいなと感じて、がっかり公園に認定しました。
今回巡った千代田区の公園を写真で紹介!
千代田区でもっとも特徴的だったのが「ふじみこどもひろば」「小川広場」などの大きな広場の存在です。ふじみこどもひろばは土日祝しか遊べないので中は見えなかったのですが、広い敷地で自由に遊べるようで、素敵なスペースだと感じました。
千代田区では「ボール遊びをしよう子どもの遊び場事業」として、プレイリーダーと呼ばれるお兄さんやお兄さんがボール遊びを教えてくれる活動があり、小川広場ではフットサルを一緒に楽しめるそう。広場には遊具はあまりないですが、子どもが思いっきり遊べるのはいいことだと感じました。
1.外濠公園
JR飯田橋駅から四谷駅までの沿線を約2キロにわたって彩る、約230本の桜並木が美しい公園。ゆっくりと散策しながら、花見が楽しめるスポットです。
2.東郷元帥記念公園
南北に細長い公園で高低差があるため3層に分かれた構造になっています。上段は砂場や遊具がある児童公園、中段はボール遊びができる広場と健康遊具、下段は広場とさまざまな遊び方ができます。
3.ふじみこどもひろば
千代田区にあった衆議院九段議員宿舎の跡地を再整備し作られた広場。土日祝日は小学生以下が自由に遊べ、ボール遊びも可能です。
4.富士見児童公園
高低差がある2段に分かれた公園で、カラフルな遊具とチューブ型のすべり台が設置されています。
5.中坂児童遊園
オフィスやビルに囲まれ、敷地内には砂場があるのみですが、フェンスに囲まれた空間でほっと一息つけるスペースです。
6.俎橋児童遊園
遊具はなく、オフィス街で働く人たちの憩いの場となっています。ハレー彗星を記念したユニークな石像があります。
7.錦三会児童遊園
ビルが立ち並ぶ場所の角地に作られた公園です。花壇には季節の花が植えられています。
8.小川広場
毎週日曜日の午後、千代田区の「ボール遊びをしよう子どもの遊び場事業」の一環として、プレイリーダーとともにフットサルを楽しめる活動が実施されています。
9.錦華公園
かつて大名屋敷の庭園だった由緒正しい場所にあり、砂場の中にユニークな形の遊具が置かれています。
10.神保町愛全公園
噴水が印象的な落ち着いた雰囲気の公園。公園内には日中平和友好条約締結20周年、周恩来生誕100周年を記念し建てられた石碑があります。
11.西神田公園
広々とした広場に鉄棒・すべり台・ブランコ・砂場などの遊具が設置されています。
12.三崎町児童遊園
イスがいくつか設置されており、駅近でちょっとした休憩に利用できるスペースです。
13.西神田百樹の広場
高層ビル群の中にある緑豊かな憩いのスポット。遊具はありません。
14.西神田けやきの広場
遊具はなく、大きな交差点にある木陰で座れるスペースです。
15.神三児童遊園
児童遊園といっても遊具などはなく、緑の生垣と中央に植え込みがあるだけのスペースです。
16.堀留南児童遊園
遊具はありませんが、大きな木の周りにイスが配置されており、休憩できるスポットです。
17.堀留北児童遊園
小さなスペースながら上部が築山になっているすべり台と砂場がある公園。
18.九段坂公園
千鳥ヶ淵添いに位置しており、水道とベンチ、トイレが整備されています。公園内の一角には陸軍で活躍した大山巌公の銅像が建てられています。
これまでに制覇した累計公園数:225カ所
自転車で東京23区の公園を巡る「公園全制覇の旅」。これまでに制覇した公園をおさらいしておきましょう!
第1回:練馬区 16カ所…西武池袋線沿線でも人気の街で、緑も多く、美味しいお店もたくさんある「練馬区」の石神井公園駅周辺の公園を調査しました。
第2回:品川区 22カ所…りんかい線・京浜東北線・東急大井町線の通る「品川区」大井町駅周辺の公園を調査しました。
第3回:中野区 23カ所…中央線、地下鉄東西線の通る「中野区」中野駅周辺の公園を調査しました。
第4回:豊島区 15カ所…最近住みたい街ランキングでも上位に食い込んでくる「豊島区」の池袋周辺の公園を調査しました。
第5回:新宿区 20カ所…学生の街でもあり、歴史的建物も多くある「新宿区」高田馬場駅周辺の公園を調査しました。
第6回:杉並区 21カ所…区の真ん中を中央線が走る「杉並区」阿佐ヶ谷駅周辺の公園を調査しました。
第7回:文京区 23カ所…石川啄木や森鷗外など文豪ゆかりの地でも知られる「文京区」春日駅周辺の公園を調査しました。
第8回:中央区 23カ所…日本橋や銀座、築地など東京の主要都市が集まる「中央区」築地市場駅から新富町、八丁堀駅周辺の公園を調査しました。
第9回:板橋区 25カ所…23区でも北西に位置する「板橋区」板橋駅から板橋区役所前周辺の公園を調査しました。
第10回:港区 19カ所…人気観光スポットが目白押しの「港区」赤羽橋駅から大門・浜松町・芝公園駅周辺の公園を調査しました。
そして、今回調査した「千代田区」飯田橋駅から九段下、神保町駅周辺の公園18カ所を合計して、これまでに制覇した公園累計数は225カ所となりました!
ライター紹介
小林知之
太田プロダクションで「火災報知器」というコンビで活動するかたわら、放送作家としても活躍。日本大学地理学科出身の地図地理大好き芸人で、地図片手に地形や歴史などを尋ねに歩くのが好きです。現在2歳になる娘ができてからは、パパ目線になり、街で見かける公園などにも興味を持ち始め調査しています。