【8/11は山の日】登山デビューにおすすめ!関東の山5選

今年から8月11日の「山の日」が祝日になりました。せっかくのお休み、親子で登山をしてみてはいかがでしょうか? そこで、登山デビューは何歳からできるのかをはじめ、初心者におすすめの山、子どもの登山デビューで気をつけたいことなどを専門家の方にうかがいました。

登山デビューはいつからOK?準備するものは?

お話をうかがったのは、80歳でエベレスト登頂に成功した三浦雄一郎氏率いるミウラ・ドルフィンズで、健康運動指導士を務める安藤真由子さん。自身も2人のお子さんと親子登山を楽しんでいます。まず、子どもの登山デビューは何歳くらいからできるものなのでしょうか?

「私の息子の場合は3歳で高尾山に登っていますが、年齢というより、子どもの体力によるところが大きいですね。例えば、高尾山なら初心者向けのコースが往復2時間ほどかかりますから、2時間休みなく歩ける体力があると安心です。」

「普段から歩いてお出かけするなど、徐々に体力をつけておきましょう。もし子供が歩けなくなった場合には、親がおぶることも想定してください」

安藤さんは日頃から2時間歩いて映画館に出かけるなど、子どもの体力作りを心がけているそう。もちろん、パパママの体力アップも忘れてはいけません。さて、登山で気になることといえば装備品です。子ども用の登山靴を準備する必要があるのでしょうか?

初心者コースなら、靴は普段履いているスニーカーで大丈夫です。靴底がすり減っておらず、滑り止めの突起が出ているかは確認してください。また、山は天候が変わりやすいので雨具は必須です。子どもは温度変化の影響を受けやすく、山頂は夏でも冷えることがあるので、体温調節ができるようパーカーなど長袖を持つようにしましょう。」

「帽子などの熱中症対策も忘れずに。絆創膏や消毒液など、傷の手当ができるものや、虫除けスプレーなども用意しましょう。」

エネルギー補給のため、休憩では小まめな食料補給も大切。このときに食べるものは糖質が多く、カロリーが高いものがおすすめなのだとか。

「食料補給だからと一度にたくさん食べると、胃に負担がかかり体力が消耗してしまいます。例えば、カントリーマアムなどのソフトクッキーは個包装で食べやすく、1個で約50Kcalあるのでエネルギーの補給におすすめです。また、汗で流れた水分や塩分を補うため電解質飲料を飲むようにしましょう。スポーツドリンクなどの電解質飲料は糖分が多いため、少し薄めて飲んでください。」

これだけ荷物があると、子どものぶんは子どもに持たせようかな…と思ってしまうもの。しかし、安藤さんによると、登山に慣れていない子どもに重い荷物を背負わせると疲れて歩けなくなることがあるそう。子どもは手ぶらで歩かせ、大人が荷物を持つようにしましょう


「楽しく登る工夫」が大切

登山では怪我や遭難など注意すべきことがありますが、子どもとの登山でとくに注意することはあるでしょうか?

「家族で縦一列になって歩く場合、子どもは中央付近にいるのがベスト。子どもを先頭にして歩いてもいいのですが、必ず親から見える範囲を歩かせるようにしましょう。また、子どもは歩きながら石を投げたり物を崖下に落としたりしがちなのですが、投げたものがほかの登山者に当たる可能性があるので、とても危険です。登山のマナーなので、絶対にやらないようにしてください。」

また、子どもの登山では「楽しく登る工夫」が欠かせないのだとか。単調になりがちな山道に子どもは飽きてしまいがち。大人と違い「いい景色があるよ」という誘い文句もあまり効かないそう。

「『あと30分登ったら山頂だよ』と声をかけても、子どもは『30分』の時間感覚が無いのであまり実感が沸きません。山頂で○○を食べようなど、なにか楽しいことが待っているほうがモチベーションを保ちやすいですね。」

安藤さん一家は山頂でカードゲームや手巻き寿司、スイカ割りをしたこともあるとか! 山頂でイベントを用意したり、休憩ポイントで笹舟を作ったりなど、景色以外の楽しみがあるといいですね。

登山デビューにおすすめの山5選

安藤さんに「登山デビューにおすすめの山」として、標高が低く、ロープウェーなどで途中までいける山を中心に教えていただきました。

「行きは歩きで、帰りはロープウェーでと往復路で交通手段を使い分けてもいいですね。子どもと歩く場合、所要時間は一般的なコースタイムの1.5〜2倍と考えて下さい。15時までに下山するのが基本のルールですので、15時から逆算して出発時刻を決めましょう。」

高尾山/東京都八王子市(標高599m)

都心からのアクセスがよく、年間300万人の観光客が訪れる高尾山。登山コースは10コース以上あるなか、初心者におすすめなのはケーブルカー・リフトで中腹まで登るコース。表参道一号路を1時間ほど登れば山頂です。途中には関東三大本山のひとつ、「高尾山薬王院」や「高尾山さる園・野草園」があり、山頂にはトイレや蕎麦処があります。

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筑波山/茨城県つくば市(標高877m)

「西の富士、東の筑波」とも呼ばれる筑波山。東側の女体山は山頂まで約80分の道のりです。山頂までロープウェーが通っているため、行きは徒歩で登って帰りはロープウェーで降りる、ということも可能。西側の男体山とは山頂でつながっており、男体山も山頂までケーブルカーが通っています。

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御岳山/東京都青梅市(標高929m)

奥多摩にあり、パワースポットとしても知られる御岳山。ケーブルカーで登り、約30分で山頂の武蔵御嶽神社に到着します。そこからさらに奥に行くと、七代の滝や天狗岩といった名所があるほか、沢歩きが楽しめるロックガーデンがあります。

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大山/神奈川県伊勢原市(標高1,252m)

丹沢大山国定公園に属する大山。山頂からの眺望は「かながわの景勝50」にも選ばれています。ケーブルカーで中腹まで登ったら、山頂の大山阿夫利神社本社までは約90分の道のり。途中に「夫婦杉」や「天狗の鼻つき岩」などの名所があります。

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金時山/神奈川県南足柄市(標高1,212m)

金太郎伝説で知られる金時山。山頂から眺める富士山は絶景で、2軒の茶屋や記念撮影用の「マサカリ」もあります。ロープウェーはありませんが、バスや自家用車で中腹まで登ることが可能。初心者は「乙女峠」「金時神社入り口」から登るのがおすすめです。

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子どもに「楽しい思い出」を

登山となると「必ず山頂に到達しなければ」と思ってしまいがち。しかし安藤さんは「登頂が絶対ではない」と言います。

「山道では草木や石など子どもの気を引くものがあり、どうしても時間がかかってしまいます。先を急ぎたい気持ちもわかりますが、子どもが興味を持ったことは優先させてあげたいですね。子どもを叱りながら急がせたり、無理をさせてまで山頂を目指したりするよりも、道中を楽しみながら登ることができれば、きっと子どもたちにもいい思い出になるはずです。」

親子登山の目的は登頂ではなく、親子で楽しい思い出を作ること。今年の「山の日」は山に出かけてみてはいかが?

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お話しを聞いたのは・・

安藤真由子さん(健康運動指導士 )
(株)ミウラ・ドルフィンズ所属。鹿屋体育大学山本正嘉教授のもと、登山の運動生理学を学び、2005年同大学院修士課程修了。2005年より三浦雄一郎氏が代表を務めるミウラベースキャンプの低酸素室にて、登山者を対象としたトレーニングプログラムの開発と提供を行うとともに、三浦雄一郎の体力測定やデータ解析なども行う。