日本海に面した福井県では、断崖絶壁で有名な東尋坊の周辺にある温泉やグルメ、テーマパークなど、親子で楽しめるスポットをまとめて「がけっぷちリゾート」と呼んでいます。
今回は、「がけっぷちリゾート」のおすすめスポットを詳しく紹介していきます! 知られていない魅力が盛りだくさんなので、要チェックです。
東尋坊
マグマが冷えて固まるときにできた柱上の奇岩による断崖絶壁が続く奇勝地が「東尋坊」です。この奇岩は地質学的にも珍しく、世界でも東尋坊を含めて3カ所しかないといわれています。
国の天然記念物にも指定されていることもあり、崖の周囲には柵などが設置されていません。テレビドラマ「火曜サスペンス劇場」などの印象的なシーンでも多く使われた場所としても知られています。
上から見下ろすだけでなく、遊覧船に乗って海上から奇岩を見上げるのもおすすめです。自然が作り上げた荘厳な芸術作品は、まさに圧巻の迫力! 遊覧船では近くにある雄島やハチの巣岩、夫婦岩、ライオン岩といった奇岩も間近で見られます。
サンセットの美しさも東尋坊の魅力のひとつ。近くにはランチやお土産の購入に便利な東尋坊商店街があり、お昼どきや夕方は多くの観光客でにぎわいます。朝は比較的空いているので、穴場の時間帯といえます。
遊覧船スタッフの軽妙なガイドにも注目
遊覧船ではスタッフが絶景の場所や由来などをジョークを交えて軽妙な語り口で紹介します。テーマパークのアトラクションに乗っているかのように船内が盛り上がりますよ!
取材時はあいにくの雨と風で船がかなり揺れましたが、アトラクション感が増して楽しめました。乗り物酔いをしてしまう人は薬などで事前に対策しておくといいでしょう。
雄島
東尋坊近くにある無人島。島内にある大湊神社の鎮守の森ということもあり、古来より地元の人に「神の島」とあがめられているパワースポットです。
島にかかっている全長224mの朱塗りの橋を徒歩か自転車で渡っていきます。海を越えて島に一直線に伸びている橋は、写真撮影スポットとしても人気です。
雄島周辺では海女漁がさかんです。5〜6月まではワカメ、8月にはウニ、6〜10月まではアワビやサザエが獲れます。無形民俗文化財にもなっている海女漁を見たいなら、漁が行われる午前中が狙い目です。
毎年4月には海の幸に深く感謝し、同時に航海安全と豊漁を祈願する「雄島祭」が行われます。大湊神社で雅楽の演奏と神事を行うほか、子ども・女性・男性が担ぐ3つの神輿が練り歩きます。男性が担ぐ「船神輿」は安島漁港を泳いで横断し、夜になって大湊神社に戻る漁村ならではのお祭りです。
島を一周する遊歩道もおすすめ
雄島は遊歩道が整備されており、美しいシマ模様をした「流紋岩」や方位磁石の針が狂う「磁石岩」などを見ながら回れます。一周約2kmほどの距離で、島の中央を横断する道もあるため、小さな子ども連れでも一緒にハイキング気分が味わえます。
越前松島水族館
イルカショーやペンギンのお散歩、エサやりなど海の生き物たちとの距離の近さを実感できる水族館です。
1日に2〜3回開催の「アザラシのふれあい」では、アザラシの体調や機嫌などを飼育員さんがチェックして状態が落ち着いているときに背中をなでられます。動物ふれあいの中でもアザラシに触れるのは貴重です。また、ドクターフィッシュやサメ(イヌザメ)、エイ、タコなどはいつでも触れるのも魅力。
「じゃぶじゃぶ海水プール」は、夏になるとイシダイやメジナ、フグなどの魚たちと一緒に入れるプールです(秋から春にかけてはエサやりプールとして営業)。水の深さは20cmと35cm、50cmの3段階があるので小さな子どもでも楽しめます。無料のシャワーと更衣室も完備。
水面がガラス張りになっている「さんごの海」水槽も人気。くつを脱いで水槽の上を歩いたり、寝たりできます。壁や天井が鏡張りになっていて、海の中にいるような幻想的な体験ができます。
雨や天候を気にせず満喫!
越前松島水族館は、「ぺんぎん館」や「ふれあい館」「おさかな館」などの複数の建物が屋根付きの通路で概ねつながっています。多少の雨が降っていても傘を使わずに移動可能。ペンギンのお散歩もイルカショーも屋根の下とあって、濡れずに楽しめます!
乗馬クラブ パ・ドゥドゥ
北潟湖畔を見下ろす小高い丘にある乗馬クラブです。曳き馬(5分)は1,000円、15分の体験乗馬でも3,000円とリーズナブルな値段で乗馬が楽しめます。
経験豊富で性格的に落ち着いた馬が多いのも、乗馬初心者にうれしいところ。競走馬として実績を残した馬に乗ることもできます。天気が良い日は北潟湖まで馬に揺られて散歩するのもおすすめです。
雨が降っても室内の練習場で曳き馬体験ができるのでおすすめです。曳き馬なら2〜3歳くらいの子どもであれば、1人で乗れる場合も。もちろん親子で乗ることもできます。
服装はジーンズなどの長ズボンに靴下、上は動きやすい服装がベスト。ヘルメットやブーツは乗馬クラブで貸りられます(体験料に含まれています)。
スタッフは2人と少数なので、電話や公式サイトで事前に予約しておくとスムーズです(予約なしでも空いていれば体験は可能)。
曳き馬はあまり揺れないので子どもにも最適!
鞍上に乗ると見た目以上に高さを感じてビックリ! とはいえ、ゆっくり歩いてくれるので、鞍上での揺れも小さく、安定感があります。北潟湖畔まで散歩コースもぜひ試してみてください。
北潟湖畔公園・サイクリングパーク
人と自然の「共生」をテーマに、豊かな北潟湖の自然を生かした公園にあるサイクリングパークです。普通の自転車はもちろん、複数の人数で動かす変わり種自転車のレンタルもできます。
おもしろ自転車の中には大勢で乗れるものも! 子ども用の小さな自転車もあるので、自転車の練習に使うのもよさそうです。
北潟湖はカヌー競技のメッカでもあり、北潟湖畔公園にはカヌーポロ(水上で1人乗りのカヌーを使って行われる、ハンドボールとバスケットボールを合わせたようなスポーツ)の専用コートがあります。
毎年夏には全国大会も開催されるので、この時期に訪れる際は「水上の格闘技」と呼ばれるカヌーポロをぜひチェックしてみてください。
自転車に乗れない子どもでも楽しめる!
サイクリングパークでは、バッテリーカーや三輪車もあるので自転車に乗れない小さな子どもでも楽しめます。また、ボート乗り場もあるので、ボートで北潟湖を見て回るのもおすすめです。
芝政ワールド
芝生広場にキャンプ場、遊園地、プール、巨大迷路、パットゴルフなどの豊富なアトラクションがそろった人気スポットです。広大な敷地を有しており、園内をクルマで移動できるのが特徴。遊びたいアトラクション近くの駐車場に停めて移動する仕組みになっています。
日本最大級のスケールを誇るプールエリアの中でも一番人気は「波の出るプール」。日本海とつながっているように見えるとあって、開放感はバツグンです。
プールの手前側は浅くなっているので、小さな子どもはそこで遊べます。また、周囲にある芝生エリアは自由に使えるのでテントやターフを立ててのんびり過ごせるのも人気の理由です。
50本以上のウォータースライダーも人気。2018年6月30日(土)には、最新スライダー「ザ・モンスターウイング」が登場。6人乗りの専用ボートで、高さ15mから急降下したり、最大傾斜約68度の絶壁を登ってから落ちたりします。
子どもでも運転できるゴーカートやバギーカー、モーターボートなどの乗り物やアーチェリー、クレー射撃などもできます。
屋内施設も充実!
屋内施設の「キッズパラダイス」ではふわふわ遊具や迷路、メリーゴーランドのほか、いろいろな職業になりきって遊べるエリア、世界のおもちゃを集めたコーナーなど、内容がとても充実していました。雨が降ったときや、未就学児にはとくにおすすめです。
金津創作の森
東京ドーム4個分の広さを持つ森に、美術館や体験施設が集まったスポットです。個性豊かな芸術家が実際に住みながら創作活動を行っているのが特徴。実際にそこで作られたアートにふれられるのはもちろん、陶芸や吹きガラス、竹細工などの体験教室なども行っています。
陶芸の1日体験では電動ろくろの上で粘土を練り上げて湯飲み茶碗などを講師のマンツーマン指導で制作。粘土を手でこねて器を作る「手びねり」のコースもあります。その後の工程は講師が引継ぎ、完成品を自宅に送ってもらうことも可能です(送料別途)。
素焼きの器に自由に絵が描ける「絵付け」もおすすめ。器はマグカップやお皿、ご飯茶碗、ビアカップ、急須、ポットから選べます。招き猫やフクロウの人形に絵付けをするコースも。
ガラス工房では約1,200度に熱したガラスを加工しながら、コップや一輪挿しを作る「吹きガラス」をはじめ、ガラスのコップに模様を掘ってオリジナルグラスを作る「サンドブラスト」などが体験できます。
親子で一緒に挑戦できるのも魅力
さまざまな作品を作れる金津創作の森ですが、1つの作品を親子で一緒に挑戦するのもおすすめです。予約優先の施設なので、事前の予約で子どもの年齢を伝えて一緒にできるものを聞いてみるのもいいですね。
やまに水産
東尋坊の近くにある商店街の人気の魚問屋です。越前がにをはじめとする福井県の鮮魚やお土産が売っているほか、店内では海鮮丼や焼き魚定食などが味わえます。
水揚げされたばかりの生うにといくらを使ったどんぶりは大人気。口の中でとろけるうにといくらが贅沢に盛られています。
その日おすすめの魚が定食になった「焼き魚定食」も人気メニュー。刺身やそばなどもついて、ボリューム満点です。なお、お店で越前がにを注文すると刺身や焼きがに、ゆでがになどを部位ごとに調理してもらえます(別途調理料1,000円)。
お座敷席が多くて子連れにも安心
店内には広いお座敷席があり、家族連れはもちろん団体やグループでも入れます。子どもが先に食べ終わった場合でも、お土産を見て過ごせるので子連れで利用しやすいです。
農園レストランNora
地元・あわら市で採れた新鮮な野菜や平飼いのニワトリの卵を使った料理など、「地産地消」にこだわったレストランです。
ランチタイムはブッフェスタイル、ディナータイムは本格イタリアンが味わえる隠れ家ダイニングになっており、ディナーは予算に合わせて旬の食材のメニューを用意してもらえます(要予約)。
レストラン前には滑り台やブランコなどの遊具があります。ヤギやウサギ、カモがいるミニ動物園ではエサやり体験なども可能です。
レストランの隣にあるイチゴのスイーツ専門店兼カフェも人気。徒歩2分ほどの距離にはイチゴ狩りができる場所もあり、ランチ以外にもさまざまな楽しみ方ができるスポットです。
陶板浴や宿泊施設も!
バイキングメニューは、どれも人気ですが、卵かけご飯に使う「のらたまご」という生卵は絶品! 北陸はご飯も美味しいので、相乗効果でより美味しく感じられます。バイキングはついつい大盛りになりがちですが、生卵もお忘れなく!
清風荘
東尋坊周辺を観光をする際に便利な立地にあるのが田園の中にたたずむ温泉郷「あわら温泉」。そのなかでも、北陸最大級の庭園露天風呂や海上海鮮バイキングが魅力の温泉宿「清風荘」はおすすめです。
あわら温泉は露天風呂に立派な庭園がついていることでも知られていて、清風荘にも旅情ムードたっぷりの庭園露天風呂があります。温泉は源泉かけ流しで、効能は神経痛や関節痛、打ち身、冷え性、疲労回復、やけど、健康増進など。
カニや刺身など新鮮な海の幸が食べ放題の個室バイキングもポイント。天ぷらやステーキ、お寿司など、一部の料理は、注文してから料理人が出来立てを用意してくれます。
「地の物」も見逃せない
バイキングでは味噌汁に具だくさんの野菜とお団子が入った「おつけだんご」や「はまなみそ」「たくあん煮」「打ち豆なます」など、地元の郷土料理が食べられます。実際に食べてから、お土産を検討できるというのは大きなポイントですね。
「がけっぷちリゾート」には、親子で楽しめるスポットが豊富です。東京から金沢までは北陸新幹線、そこから特急に乗り換えてトータル約3時間で観光の拠点となる「芦原温泉駅」に行けるので、気軽に行けるお出かけ先でもありますね。
北陸新幹線の「かがやき」に乗れるのも電車好きな子どもには大きな魅力です。2022年には「芦原温泉駅」まで北陸新幹線が通る予定。対象施設がオトクな料金で回れるフリーパスなどもありますので、週末や連休のお出かけに、親子でさまざまな体験ができる「がけっぷちリゾート」をぜひ堪能してください。