山を貫くトンネルや自然が作り出す洞窟など、非日常的でどこか神秘的な空間には見たことのない絶景とワクワクが待っています。そんな場所での冒険は、子どもに驚きや感動を与えてくれるはず。そこで今回は、プチ冒険気分が味わえる関東周辺のお出かけスポットを5つ紹介します。
大谷資料館(栃木県)
栃木県宇都宮市にある「大谷資料館」は、付近一帯で採掘される「大谷石」の採掘の歴史を紹介する資料館。その地下には、大正8年〜昭和61年まで約70年かけて大谷石を掘り出してできた巨大地下空間「地下採掘場跡」があります。
野球場一つ分に当たる約2万平方m、深さ30mにもおよぶ地下採掘場跡の坑内の気温は平均8度前後。まさに巨大冷蔵庫のような空間で、天然の涼しさを体感できます。ライトアップによって浮かび上がる採掘の跡が刻まれた岩肌のほか、階段や通路まですべてが石に囲まれた光景は、古代の遺跡やゲームの世界に迷い込んだかのようです!
順路をたどって奥深く進むと、大広間や舞台のような広々とした空間や地底池が現れます。また、地上からの光が降り注ぐ場所のほか、古い機械やアート作品の展示もみられます。ひとつ角を曲がって階段を上るたびに異なる光景が広がるので、大人も子どももワクワクするはずです! 1周はおよそ30分で順路もしっかり整備されているので、小さな子どもでも安心して楽しめます。
■大谷資料館
料金:大人800円/子供400円(小・中学生)
※未就学児は無料
開館時間:(4月〜11月)9:00〜17:00 (12月〜3月)9:30〜16:30
※入館は閉館30分前まで
休館日:(4月〜11月)無休(12月〜3月)毎週火曜日
※火曜日が祭日の場合は翌日休館
※年末年始と12月26日〜1月1日は休館
富岳風穴・鳴沢氷穴(山梨県)
富士山麓に広がる「青木ヶ原樹海」の地下には、千年以上前に起こった噴火の痕跡を残す溶岩洞窟が数多く存在します。
そのひとつである「富岳風穴」は、子どもでも歩きやすいなだらかな横穴型の洞窟です。総延長は201mにも及び、ゴツゴツした岩が迫る洞窟内は迫力充分! 15分ほどの見学コースには、溶岩が押し寄せて固まった縄状溶岩や氷柱など、見所もいっぱいです。
また、起伏に富む竪穴型の洞窟「鳴沢氷穴」もオススメ。急な階段や狭い通路、身体を縮めないと通れない天然のトンネル、洞窟の最深部にある氷柱、「足場を失ったら帰れない」といわれる地獄穴など、順路を歩いているだけでも冒険がいっぱいです!
富岳風穴・鳴沢氷穴では、樹海に精通したガイドによる自然解説付きで2つの洞窟と樹海を散策できるネイチャーガイドツアーも開催されています(要予約)。洞窟での冒険と森林浴をしながらのハイキングを満喫したいファミリーにオススメです!
■富岳風穴・鳴沢氷穴
料金:大人350円/小人200円(小学生)
ネイチャーガイドツアー<鳴沢氷穴・富岳風穴と青木ヶ原樹海散策コース> 1時間コース8,000円、2時間コース12,000円(要予約、2人より受付。ガイド1人料金。風穴・氷穴入洞料金は別途。ガイド1人につき原則20人まで)
※その他コースは多数あり。詳細は公式サイトをご参照ください
営業時間: 9:00〜17:15(不定休)
首都圏外郭放水路(埼玉県)
埼玉県春日部市で江戸川沿いの地下22mの場所に、荘厳な雰囲気を漂わせる地下建造物があります。長さ177m・幅78m・高さ18mの空間に巨大な柱が59本立ち並ぶこの巨大施設は、「首都圏外郭放水路」という大規模治水施設の調圧水槽です。
独特の雰囲気を持つこの場所は、「仮面ライダー」シリーズなどの特撮や映画、PVなどのロケ地として利用されることも多く、特撮ファンの間では「聖地」ともいわれています。
「地下神殿」の愛称でも親しまれている首都圏外郭放水路の役割は、大雨の際に周辺の河川であふれ出そうになった水を取り込み、江戸川に排水して周辺地域を水害から守ることです。
国土交通省江戸川河川事務所では、放水路の働きと仕組みを学び、調圧水槽の巨大さを実際に見て体感できる見学会を開催。東京からのアクセスのしやすさも魅力です。人々の暮らしを守り続けている「ヒーロー」に会いに、足を運んでみてはいかがでしょうか?
(写真提供:国土交通省 江戸川河川事務所)
■首都圏外郭放水路
見学会料金:無料
※予約必須(28日前よりHPまたは、電話にて受付)
※未就学児参加不可。小中学生は大人の同伴が必要
見学会開催日:月〜金曜日(月曜日は団体のみ)。土曜日は月2回の不定期開催あり。
1日3回(10時、13時、15時)、夏休み期間中は4回(10時、11時、13時、15時)。
※詳細は直接施設へ問い合わせるか、公式サイトを確認してください
立山トンネルトロリーバス・黒部ケーブルカー(富山県・長野県)
標高3,000m級の山々が連なる北アルプスを貫き、富山県から長野県までを結ぶ「立山黒部アルペンルート」。立山黒部の大自然の景観を楽しめる世界有数の山岳観光ルートですが、険しい山々を越えるために、特色ある「珍しい乗り物」に2つ乗れることも魅力のひとつです。
特に珍しいのが、電車のように電線からの電力を受けて走る「トロリーバス」。全国でもアルペンルート内の2路線でしか走っていない貴重なバスです。室堂と大観峰を結ぶ「立山トンネルトロリーバス」は、全長3.7kmの長いトンネルを10分かけて走行。薄暗いトンネルを走るバスに乗っていると、異世界に連れて行かれるようなドキドキ体験が味わえます。
また、黒部平と黒部湖の間を結ぶ「黒部ケーブルカー」は、日本で唯一の全線地下式のケーブルカー。昭和44年の開業当時からずっと使用されているという歴史ある車輌で、高差約400m、最大勾配31度という急斜面の昇降を楽しめます。
ケーブルカーの先に待っているのは、雄大な山々に抱かれた美しい「黒部湖」と、日本一の高さを誇る「黒部ダム」の威風堂々とした姿。毎年6月26日〜10月15日の期間に行われる放水は圧巻の迫力です!
■立山トンネルトロリーバス・黒部ケーブルカー(立山黒部アルペンルート)
料金:立山トンネルトロリーバス(室堂〜大観峰間 片道)大人2,160円/子供1,080円、黒部ケーブルカー(黒部平〜黒部湖間 片道)大人860円/子供430円
※そのほか、立山(富山県)〜扇沢(長野)間の通り抜けきっぷ、往復きっぷなどがあります。詳細は公式サイトで確認してください。
運行期間:4月上旬〜11月下旬
洞くつめぐり遊覧船(静岡県)
「伊豆の松島」とも称えられる西伊豆・堂ヶ島にある海の洞窟「天窓洞」。波が岩を削って生み出されたこの洞窟は、中央部が丸く抜け落ちた「天窓」から太陽の光が差し込みます。エメラルドグリーンの海面が照らし出される幻想的な光景は一見の価値あり!
堂ヶ島マリンが運航する「洞くつめぐり遊覧船」では、複雑で起伏に富んだリアス式海岸と点在する岩礁や島々を縫うように進み、神秘の洞窟「天窓洞」へと向かう冒険が楽しめます。約20分のコースは、絶景とスリルがいっぱい!
西伊豆の海をもっと満喫したい人には「クルージングコース」がオススメ。なかでも「千貫門クルーズ」は、西伊豆で一番変化に富んだ海岸線を周遊する50分のコースで、千貫門・赤壁・観音島など見どころたっぷり。天気がよければ、海から富士山を観られることも!
もちろん全てのコースで「天窓洞」に立ち寄ります。また、堂ヶ島公園にある西伊豆歩道では、地上から「天窓洞」の入り口を見たり、「天窓」を上から覗き込んだりすることもできるそう。海と陸、それぞれの視点から洞窟を見てみるのも楽しいかもしれませんね!
■洞くつめぐり遊覧船
料金:洞くつめぐり遊覧船 大人1,200 円/子供600 円
堂ヶ島クルーズ 大人1,700 円/子供850 円
千貫門クルーズ 大人2,300円/子供1,150 円
ジオサイトクルーズ 大人1,900 円/子供1,100 円
運行期間:4月上旬〜11月下旬。
洞窟やトンネルなど非日常的なスポットでの冒険には、神秘的な光景とロマンがいっぱいにつまっています。子どもの好奇心をかき立てること間違いなしの「プチ冒険」に出かけてみてはいかがでしょうか?