岐阜県各務原市の世界淡水魚園水族館「アクア・トト ぎふ」で、企画展「Save the淡水魚〜未来へつなぐ水辺の宝〜」が、2024年12月14日(土)〜2025年4月13日(日)まで開催されています。
この企画展では、絶滅危惧種21種を含む22種の貴重な淡水魚を見ることができます。
日本の淡水魚が直面する危機的状況
環境省の最新レッドリストによると、国内の汽水・淡水魚約400種のうち169種(約42%)が絶滅のおそれのある種(絶滅危惧種)に指定されています。
この企画展では、そうした淡水魚の危機的状況を紹介しながら、生物多様性の回復と維持の重要性を伝えています。
日本のタナゴ全16種類が一堂に会する貴重な機会
展示の目玉のひとつは、日本に生息するタナゴの仲間全16種類の展示です。タナゴ類は16種のうち13種が絶滅危惧種に指定されており、そのうち8種はもっとも絶滅の危険性が高い「絶滅危惧IA類」に分類されています。
東北から九州地方まで、各地に生息するタナゴの仲間が一堂に会しており、天然記念物2種・国内希少動植物種4種を含むタナゴ全種が一度に見られるのは全国でもここだけです。
多様な環境で生きる希少淡水魚たち
企画展では高知県土佐湾や宮崎県沿岸に生息する「アカメ」、埼玉県の源流で命をつなぐ「ムサシトミヨ」、琉球列島にのみ分布する「ヒョウモンドジョウ」など、さまざまな環境で暮らす希少な淡水魚たちも紹介されています。
水族館による保全活動の取り組み
「アクア・トト ぎふ」は国内初の希少種保全水族館として認定され、絶滅危惧種「イタセンパラ」の保護活動を行っています。水族館内での計画的な繁殖に取り組むほか、2024年からは木曽川周辺での清掃活動も実施し、学生や企業と協力して水辺環境の保全に努めています。
国内の淡水魚が直面している危機と、その保全に取り組む水族館の姿を知ることができる貴重な展示です。春休みのおでかけに、親子で水の生き物たちの不思議な世界を体験しに行きませんか?
■企画展「Save the 淡水魚〜未来へつなぐ水辺の宝〜」
期間:2024年12月14日(土)〜2025年4月13日(日)
場所:世界淡水魚園水族館「アクア・トト ぎふ」館内1階 特別企画展示スペース
所在地:岐阜県各務原市川島笠田町1453
入館料:大人1,780円、中高校生1,400円、小学生900円、幼児(3歳以上)500円
展示:生体展示(22種 約380点)など
※常設展示と企画展を合わせると、絶滅のおそれのある種は44種を展示