兵庫県神戸市東灘区ある「神戸ファッション美術館」で、2024年4月13日（土）〜6月16日（日）に、特別展「アニメーション美術の創造者 新・山本二三展 THE MEMORIAL」を開催します。
特別展「アニメーション美術の創造者 新・山本二三展 THE MEMORIAL」とは？
この展覧会は、国民的アニメーション映画の美術監督として知られ、2023年に逝去した山本二三氏の遺した背景美術の傑作を紹介するものです。
山本二三氏は『天空の城ラピュタ』『火垂るの墓』『もののけ姫』『時をかける少女』など、多くの名作アニメーション映画で美術監督を務め、日本アニメ界の発展に貢献しました。
本展では、手描きの背景画やイメージボード、美術設定など約250点を展示し、追悼の意を込めて彼の画業を偲びます。
展示の見どころ
展示は5つの章に分けられており、それぞれの章で山本氏の背景美術における特徴的な表現を探求します。
第1章…冒険の舞台
山本氏がどのように空想上の建造物や自然を具現化してきたのかを、『天空の城ラピュタ』や『未来少年コナン』『ルパン三世』などの背景描写を通じて紹介します。
第2章…そこにある暮らし
ときに実写以上に一瞬の場面を強く印象づける、色彩や構図の綿密な設計を、『じゃりン子チエ』や『火垂るの墓』、『時をかける少女』の名場面から探ります。
第3章…雲の記憶
観た者に「いつか見た、あの空」と記憶を呼び起こす、山本氏の代名詞とも言える雲の描写に焦点を当てます。
第4章…森の命
『もののけ姫』で描かれた「シシ神の森」など、森や自然を題材にした作品から、写実性を超えた神聖さを感じ取れる風景を展示します。
第5章…忘れがたき故郷
山本氏がライフワークとして取り組んだ「五島百景」を中心に、故郷である五島列島の風景を紹介します。
特別展示
これまでに兵庫県内で開催された「山本二三展」にあわせて描かれた風景画のほか、絶筆となった長崎県・五島の民話を描いた漫画「勘次ヶ城（かんじがしろ）」の下描きなどを、関係者から寄せられた追悼の言葉とともに展示します。
神戸は『火垂るの墓』の舞台でもあり、「山本二三展」の始まりの地でもありました。それに伴い、本展では特別に展示する作品もあります。高畑勲･宮崎駿の両監督を支え、日本のアニメーションを世界に誇る文化へと押し上げた背景美術の傑作を、ぜひ、この機会に楽しんでくださいね。
■特別展「アニメーション美術の創造者 新・山本二三展 THE MEMORIAL」開催概要
開催期間：2024年4月13日（土）〜6月16日（日）
開館時間：10:00〜18:00（入館は17:30まで）
会場：神戸ファッション美術館
所在地：神戸市東灘区向洋町中2の9の1
休館日：月曜日、4月30日（火）、5月7日（火）
※ただし、4月29日（月・祝）、5月6日（月・祝）は開館
観覧料：一般1,000円、大学生・65歳以上500円、高校生以下無料
※神戸市内在住の65歳以上の方は無料
※神戸ゆかりの美術館、小磯記念美術館の当日入館券（半券）で割引
