「よこはま動物園ズーラシア」(以下「ズーラシア」)の8つのゾーンの楽しみ方を紹介します。
※記事内の価格は税込みです
(2019年11月取材)
世界の8つの地域・気候帯別に動物の生息環境を再現!
「ズーラシア」には、「アジアの熱帯林」「亜寒帯の森」「オセアニアの草原」「中央アジアの高地」「日本の山里」「アマゾンの密林」「アフリカの熱帯雨林」「アフリカのサバンナ」の8つのゾーンがあり、飼育されている生き物の生息環境が再現されています。それぞれの見どころを紹介します。
1.アジアの熱帯林
アジア固有の動物や植物に出会えるゾーンです。ヤシなどの高く伸びる熱帯植物の足元には、30cm〜60cmほどの草むらが作られ、そこに身を隠しながら生活するインドライオンやマレーバクなどが見られます。
なかでも注目は、日本ではここでしか出会えないアカアシドゥクラングール。熱帯雨林及びモンスーン林に10頭ほどの群れで生活し、木の葉を主食としているリーフイーター(葉喰いザル)の仲間で、ベトナム戦争の枯葉剤の影響で絶滅が危惧されています。2019年9月には赤ちゃんが誕生し、仲睦まじい親子の様子が見られます。
- 見られる動物…インドゾウ、ボルネオオランウータン、カンムリシロムク、マレーバク、スマトラトラ、ウンピョウ、シシオザル、インドライオンなど
- 見られる植物…カシワバアジサイ、カナリーヤシ(フェニックス)、シュロチク、ジンジャー、タイサンボク、ハマボウ、バショウ、ビロウ、ヤタイヤシ(ココスヤシ)、ワシントンヤシなど
2.亜寒帯の森
ペンギンやオットセイなどの住むエリアや、ユーラシアカワウソなどが住む針葉樹林(タイガ)を再現したゾーンです。
半身におろしたサケを潮風にさらして作る郷土食を再現している様子や、永久凍土が溶けて地面が陥没し、沼や湖となった「アラース地形」を再現したエリアも見どころです。
- 見られる動物…ゴールデンターキン、レッサーパンダ、キジ類、アムールヒョウ、ユーラシアカワウソ、オオワシ、フンボルトペンギン、ミナミアフリカオットセイ、ホッキョクグマ、トウホクノウサギ、シロフクロウなど
- 見られる植物…アカエゾマツ、カラマツ、クリスマスローズ、ドイツトウヒ、ヒマラヤスギ、メタセコイア、モミなど
3.オセアニアの草原
草原で生活するアカカンガルーや、樹上で生活するセスジキノボリカンガルーが見られるゾーンです。
木の上で過ごすセスジキノボリカンガルーと草原で群れを作って暮らすアカカンガルーの体つきの違いにも注目です。
1回のジャンプで約8mを軽々と飛ぶアカカンガルーのジャンプに挑戦できるコーナーもありますよ。
- 見られる動物…アカカンガルー、エミュー、セスジキノボリカンガルー
- 見られる植物…フサアカシア、ブラシノキ、ユーカリノキ
- 注目のスポット…オージーヒルグリルレストラン
4.中央アジアの高地
中国の山岳地帯やモンゴル平原のステップ地帯に生息する珍しい生き物が展示されたゾーンです。モウコノロバやテングザルなど日本では「ズーラシア」でしか出会えない動物が見られます。
「飼育員のとっておきタイム」では、テングザルが飼育員から直接ピーナッツを受け取ってボリボリと食べる様子なども見られます。
- 見られる動物…テングザル、チベットモンキー、ドール、モウコノロバ
- 見られる植物…サルスベリ、ニューサイラン、ハナカイドウ
5.日本の山里
ホンドタヌキやニホンザル、日本固有種であるツシマヤマネコなどが見られるゾーンです。「里山」を再現していて、日本の昔話によく出てくる動物についての解説も充実しています。
「『鶴の恩返し』に出てくるツルは、ツルではなくコウノトリだったのではないか?」など、各所にある説明板は家族で楽しめるものばかりです。
スギやシイの丸太材をくりぬいて養蜂を行う「蜂洞」のレプリカも展示。里山の暮らしについて親子で話すきっかけになります。
- 見られる動物…コウノトリ、マナヅル、ツシマヤマネコ、ニホンアナグマ、ホンドタヌキ、ホンドギツネ、ニホンツキノワグマ、ニホンザル
- 見られる植物…イロハモミジ
6.アマゾンの密林
アフリカ大陸中央部やアマゾン川を中心とした熱帯雨林を再現したゾーンです。約1,000万年前から同じ姿のヤブイヌや、目の周りの模様で個体を区別するメガネグマ、滑らかなウールのような灰色の毛並みから名がついたハイイロウーリーモンキーなどの珍しい動物に出会えます。
ゾーン内には、カナリ—ヤシやヤタイヤシが生い茂る中に丸いヤシ葺き屋根の東屋が点在し、アマゾンの雰囲気が感じられます。
- 見られる動物…ヤブイヌ、オセロット、ハイイロウーリーモンキー、メガネグマなど
- 見られる植物…カナリーヤシ(フェニックス)、ネムノキ、ヤタイヤシ(ココスヤシ)、ヤマモモ、ワシントンヤシなど
7.アフリカの熱帯雨林
アフリカ大陸中央部を流れるコンゴ川流域を再現したゾーンです。注目は、「ズーラシア」が日本で初めて展示したオカピ。また、チンパンジーの自然保護区域を模した「チンパンジーの森」や、細長く立派な飾り耳をもつ「アカカワイノシシ」ゾーンもほかではなかなか見られない展示です。
おすすめは、「チンパンジーの森」で1日1回行われる「飼育員のとっておきタイム」。そのときのチンパンジーの様子を見ながら、チンパンジーの群れの構成について飼育員の詳しい解説が聞けます。
通路には、チンパンジーのベッドや糞なども再現されており、アフリカの熱帯雨林を探検しているような気持ちになれます。
- 見られる動物…アフリカタテガミヤマアラシ、オカピ、アカカワイノシシ、チンパンジーなど
- 見られる植物…アオノリュウゼツラン、アツバキミガヨラン、オオイタビ、クチナシ、クロコスミア、ソテツ、トケイソウ、ネムノキ、ノウゼンカズラ、ヤマモモなど
8.アフリカのサバンナ
アフリカの代表的な景観であるサバンナを再現した約1ヘクタールのゾーンです。肉食動物のチーターと、草食動物のキリンやグラントシマウマ、エランドが一緒に生活する最も人気のゾーンです。
肉食動物が草食動物を食べてしまわないか不安になりますが、心配無用です。チーターの体重が約37kgなのに対し、キリンやシマウマ、エランドは400kgほど。小柄なチーターが自分よりも大きな動物を襲うことは身体的に難しいのです。
逆に、好奇心旺盛な若いキリンやシマウマがチーターの匂いをかごうと追いかけると、チーターが嫌がって場所を変える光景も見られました。
また、2種類の草食動物も野生と同様に、決してお互いに近づき過ぎることはありません。
「アフリカのサバンナ」ゾーンをはじめ、「ズーラシア」の展示は小さな子供の目線でも動物を見やすいように、低い部分をガラス張りにするなど工夫されています。園内では、手すりより目線の低い子供たちが目を凝らしてチーターを探し、「あそこにいる!」と声をあげている様子が見られました。
また、各ゾーンの歩道には、それぞれ特徴的な風景を演出する工夫がなされています。「アフリカのサバンナ」ゾーンでは肉食動物に食べられたエランドの死骸などが置かれ、雰囲気を盛り上げていました。
ほかにも巨大なサイや群れで暮らすミーアキャット、キリンの親子などに出会えます。
- 見られる動物…アビシニアコロブス、リカオン、ケープハイラックス、ライオン、ミーアキャット、チーター、ヒガシクロサイ、エランド、キリン、グラントシマウマなど
- 見られる植物…アガパンサス、アメリカデイコ、クチナシ、サルスベリ、シマトネリコ、シモツケ、ジャカランダ、ネムノキ、パンパスグラス、ブットレア、ローズマリーなど
- 注目のスポット&イベント…バードショー、ピグミーゴートとのふれあい、ラクダライド
「ズーラシア」の8つのゾーンを紹介しました。アクセスや料金、注目の動物などは以下の記事をチェック!