ゴリラにトラ、ツシマヤマネコ……。関東の動物園には、野生で数を減らし絶滅のおそれがある動物たちが暮らしています。今こそ会いに行きたい、絶滅危惧種に出会える動物園9園を紹介します。
※記事内の情報は2026年10月時点のものです。動物の移動(ほかの動物園への引っ越し)や体調、繁殖などにより、展示が変更・休止になる場合があります。お目当ての動物がいる場合は、お出かけ前に各園の公式サイトで最新情報をご確認ください
絶滅危惧種とは
絶滅危惧種とは、生息地の減少や密猟、環境の変化などにより、野生で絶滅するおそれがある生き物のことです。世界では国際自然保護連合(IUCN)、日本では環境省が「レッドリスト」を作成し、絶滅の危険度ごとにランク分けしています。
今回は、各動物名の後ろにIUCNのランクを記載しています。日本固有の動物など、国内での評価が重要なものは環境省のランクを併記しました。
絶滅危惧種の危険度ランク
- CR(Critically Endangered):深刻な危機/絶滅危惧IA類 ごく近い将来、野生で絶滅する危険性が極めて高い種。
- EN(Endangered):危機/絶滅危惧IB類 IA類ほどではないが、近い将来、野生で絶滅する危険性が高い種。
- VU(Vulnerable):危急/絶滅危惧II類 絶滅の危険が増している種。
では、早速。絶滅危惧種に指定されている動物と動物園を紹介していきましょう。
【東京都台東区】恩賜上野動物園
1882年に開園した、日本で最も歴史のある動物園です。上野駅から歩いて行ける便利な立地で、東園・西園に約300種の動物が暮らしています。
ジャイアントパンダは2026年1月に中国へ返還されましたが、ゴリラやトラなど絶滅危惧種の見どころはたくさんあります。
「上野動物園」で出会える絶滅危惧種
・ ニシゴリラ(CR)
東園「ゴリラ・トラのすむ森」で群れで暮らす。オスの「ゲンタロウ」とメスの「アニー」は同居の練習中。
・ スマトラトラ(CR)
2025年7月に母「ミンピ」から「ベラニ」「レスタ」が誕生。島にすむ小柄なトラで、濃いしま模様が特徴。
・ アジアゾウ(EN)
母「ウタイ」と2020年生まれの息子「アルン」、「スーリヤ」が暮らす。家族で過ごす姿に注目。
・ ハシビロコウ(VU)
「動かない鳥」として人気。西園で、大きなくちばしと独特のたたずまいをじっくり観察できる。
・ ホッキョクグマ(VU)
北極圏にすむ大型のクマ。真っ白な毛と大きな体は迫力満点。
※2026年10月時点の情報です。スマトラトラ「レスタ」は2026年11月9日に仙台市八木山動物公園へ、ホッキョクグマのオス「イコロ」は2026年10月下旬〜11月中旬に天王寺動物園へ移動予定です。ハシビロコウは2026年10月下旬から「アサンテ」「サーナ」の2羽で展示しています。
■恩賜上野動物園
住所:東京都台東区上野公園9-83
入園料:一般600円、65歳以上300円、中学生200円(都内在住・在学は無料)、小学生以下無料
営業時間:9:30〜17:00(入園は16:00まで)
休業日:月曜(祝日・振替休日の場合は翌日)、12月29日〜1月1日
【東京都日野市】東京都多摩動物公園
多摩丘陵の自然を生かし、アジア園・アフリカ園・オーストラリア園など地域ごとに動物を展示する広い動物園です。
2026年はオランウータンやアムールトラの赤ちゃんが生まれるなど、うれしいニュースが続いています。特別天然記念物のトキも非公開で飼育・繁殖している、保全の拠点でもあります。
「東京都多摩動物公園」で出会える絶滅危惧種
・ ボルネオオランウータン(CR)
2026年3月に「ジュリア」が誕生。母「チェリア」に寄り添って過ごす親子の姿に注目。
・ アムールトラ(EN)
世界最大級のネコ科動物。2026年には赤ちゃんも誕生し、今後の公開が期待されている。
・ アジアゾウ(EN)
推定73歳の「アヌーラ」などが暮らす。長寿のゾウの穏やかな姿に会いに行こう。
・ レッサーパンダ(EN)
背骨の手術を乗り越えて展示に復帰したオスの「フランケン」が元気に暮らす。
・ ユキヒョウ(VU)
アジア園で暮らす「幻のヒョウ」。太く長い尾とフワフワの毛が魅力。岩場を軽やかに歩く姿は必見。
・ コアラ(VU)
オーストラリア園で暮らす。のんびりした姿が人気で、新たなオスの来園・公開も期待されている。
※2026年10月時点の情報です。ボルネオオランウータン「ジュリア」はオランウータン舎の室内展示場で公開しています(公開時間は公式サイトでご確認ください)
■東京都多摩動物公園
住所:東京都日野市程久保7-1-1
入園料:一般600円、65歳以上300円、中学生200円(都内在住・在学は無料)、小学生以下無料
営業時間:9:30〜17:00(入園は16:00まで)
休業日:水曜(祝日の場合は翌日)、12月29日〜1月1日
【東京都武蔵野市】井の頭自然文化園
井の頭恩賜公園の中にあり、動物園(本園)と水生物園(分園)の2エリアに分かれています。入園券1枚で両方を楽しめます。
日本の身近な生き物の展示に力を入れていて、水生物館では井の頭池で発見された希少な藻「イノカシラフラスコモ」も観察できます。
「井の頭自然文化園」で出会える絶滅危惧種
・ ツシマヤマネコ(環境省CR)
長崎県の対馬にだけすむ野生ネコ。本園のヤマネコ舎で会える。夜行性で、夕方に活発に動くことも。
・ オオサンショウウオ(VU)
世界最大級の両生類で、特別天然記念物。水生物館でじっとたたずむ姿が見られる。
・ ゼニタナゴ(VU・環境省CR)
東京都では野生から姿を消した小さな淡水魚。水生物館で観察できる。
■井の頭自然文化園
住所:東京都武蔵野市御殿山1-17-6(本園)
入園料:一般400円、65歳以上200円、中学生150円(都内在住・在学は無料)、小学生以下無料
営業時間:9:30〜17:00(入園は16:00まで)
休業日:月曜(祝日の場合は翌日)、12月29日〜1月1日
【神奈川県横浜市】よこはま動物園ズーラシア
「生命の共生・自然との調和」をテーマに、世界の気候帯や地域ごとにゾーン分けした動物園です。植物や岩などで生息地を再現していて、動物たちの自然に近い姿を観察できます。希少動物の繁殖にも力を入れています。
「よこはま動物園ズーラシア」で出会える絶滅危惧種
・ ツシマヤマネコ(環境省CR)
「日本の山里」ゾーンで展示。2006年から20年にわたり飼育を続けている。
・ オカピ(EN)
2001年に国内で初めて繁殖に成功した園。「森の貴婦人」と呼ばれ、2026年に生まれた赤ちゃんの公開も期待されている。
・ ボルネオオランウータン(CR)
「アジアの熱帯林」ゾーンで、イギリス生まれのベテラン、メスの「バレンタイン」が暮らす。
・ インドライオン(VU)
オスの「バドゥリ」とメスの「バーラ」が、午前と午後で交代して展示場に登場。
・ チンパンジー(EN)
「アフリカの熱帯雨林」で群れで暮らす。毎月第2土曜14:15からは「旬のおやつプレゼント」。
■よこはま動物園ズーラシア
住所:神奈川県横浜市旭区上白根町1175-1
入園料:一般800円、高校生300円、小・中学生200円、小学生未満無料(毎週土曜は小・中・高校生が無料)
営業時間:9:30〜16:30(入園は16:00まで)
休業日:火曜(祝日の場合は翌日)、12月29日〜1月1日

【千葉県千葉市】千葉市動物公園
立ち上がるレッサーパンダ「風太くん」で全国に知られる動物園です。中学生以下は入園無料なのも、子ども連れにはうれしいポイント。
なお、ハシビロコウもいますが、施設整備のため2028年春ごろまで展示をお休みしています。
「千葉市動物公園」で出会える絶滅危惧種
・ ニシゴリラ(CR)
ベテランのオス「モンタ」とメスの「モモカ」が、屋外展示場で一緒に過ごす姿を見られる。
・ レッサーパンダ(EN)
立ち上がる姿で人気者になった「風太くん」が暮らす。屋内展示場で13:30から給餌ガイドあり。
・ チンパンジー(EN)
モンキーゾーンの大型類人猿舎で暮らす。仲間と過ごす豊かな表情に注目。
・ フクロテナガザル(EN)
サル島でうんていを軽やかに渡る姿が見どころ。のどを膨らませた大きな鳴き声にも注目。
■千葉市動物公園
住所:千葉県千葉市若葉区源町280
入園料:大人(高校生以上)800円、中学生以下無料
営業時間:9:30〜16:30(入園は16:00まで)
休業日:水曜(祝日の場合は翌日)、12月29日〜1月1日
【千葉県市原市】市原ぞうの国
たくさんのゾウが暮らす、動物との距離が近い動物園です。ゾウのパフォーマンスやふれあいが人気で、園内ではアジアゾウの赤ちゃんも生まれています。姉妹施設「サユリワールド」とのセット券もあります。
「市原ぞうの国」で出会える絶滅危惧種
・ アジアゾウ(EN)
2007年生まれの「ゆめ花」は、日本で初めて母親が自ら育てたアジアゾウ。お絵かきや文字を書くのも得意。
・ アフリカゾウ(EN)
メスの「サンディ」が暮らす。アジアゾウとの耳の大きさや体つきの違いを見比べよう。
・ ケープペンギン(CR)
アフリカ南部にすむペンギン。野生の数が急減し、2024年に最も危険度の高いCRに引き上げられた。
・ アミメキリン(EN)
網目模様が美しいキリン。姉妹施設のサユリワールドで会える。
■市原ぞうの国
住所:千葉県市原市山小川937
入園料:市原ぞうの国のみ 大人(中学生以上)2,400円、小人(3歳〜小学生)900円、シニア(65歳以上)2,000円/サユリワールドとのセット券 大人3,200円、小人1,300円、シニア3,000円
営業時間:3〜10月 9:30〜16:30、11〜2月 10:00〜16:00
休業日:木曜(12〜2月は水・木曜)
※公式サイトの開園カレンダーを確認

【埼玉県東松山市】埼玉県こども動物自然公園
丘陵地の自然の中にある、子どもが楽しめる仕掛けがいっぱいの動物園です。
コアラやクオッカなどオーストラリアの動物が充実しているほか、コウノトリなど希少な鳥の保全にも取り組んでいます。
「埼玉県こども動物自然公園」で出会える絶滅危惧種
・ コアラ(VU)
コアラ舎で暮らす。2026年にはオーストラリアから来た「アーノルド」が仲間入りした。
・ レッサーパンダ(EN)
木の上で過ごすことが多い人気者。フサフサの尾と愛らしいしぐさに癒やされる。
・ クオッカ(VU)
笑っているような顔が人気の小さなカンガルーの仲間。2025年3月に屋内展示室がオープン。
・ コウノトリ(EN・環境省CR)
一度は日本の野生から姿を消した大型の鳥。「こうのいけ」で優雅な姿を観察できる。
・ カンムリシロムク(CR)
インドネシア・バリ島だけにすむ、白い羽と青い目元が美しい鳥。野生の数はごくわずか。
■埼玉県こども動物自然公園
住所:埼玉県東松山市岩殿554
入園料:大人(高校生以上)900円、小・中学生200円、未就学児無料
営業時間:9:30〜17:00(入園は16:00まで)※11月15日〜1月31日は9:30〜16:30(入園は15:30まで)
休業日:月曜(祝日の場合は開園)、12月30日〜1月1日
【埼玉県宮代町】東武動物公園
動物園と遊園地、夏はプールも楽しめるハイブリッド型レジャー施設です。ホワイトタイガーやアフリカゾウなど大型動物がそろい、秋冬はイルミネーションも楽しめます。
「東武動物公園」で出会える絶滅危惧種
・ ホワイトタイガー(EN)
ベンガルトラの白い個体で、「コタ」と「ハク」が暮らす。白い体に黒いしま模様が美しい。
・ アフリカゾウ(EN)
メスの「キョウコ」と「アイ」が暮らす。陸上最大の動物の迫力を間近で体感しよう。
・ アダックス(CR)
ねじれた角が特徴の砂漠のレイヨウ。2026年6月に22年ぶりに展示を再開した。
・ カバ(VU)
大きな口を開ける姿が人気。野生では生息地の減少や密猟で数を減らしている。
東武動物公園
住所:埼玉県南埼玉郡宮代町須賀110
入園料:大人(18〜59歳)2,300円、中人(12〜17歳)1,800円、小人(3〜11歳)1,000円、シニア(60歳以上)1,500円 ※イルミネーション期間は別料金あり
営業時間:9:30〜17:00(イルミネーション開催日は20:00まで)
休業日:不定休(公式サイトの営業カレンダーを確認)
【栃木県那須町】那須どうぶつ王国
那須高原の広大な敷地で、動物とのふれあいやバードショーが楽しめる動物園です。「保全の森」では、ニホンライチョウやツシマヤマネコなど日本の希少動物の保全に取り組んでいます。
「那須どうぶつ王国」で出会える絶滅危惧種
・ ニホンライチョウ(環境省EN)
本州中部の高山にすむ特別天然記念物。「保全の森」で観察できる。
・ ツシマヤマネコ(環境省CR)
対馬にだけすむ野生ネコ。「保全の森」で、額の縦じまや耳の裏の白い斑点に注目。
・ シマフクロウ(EN・環境省CR)
北海道にわずかにすむ世界最大級のフクロウ。「猛禽の森」で会える。
・ ハシビロコウ(VU)
水辺を再現した「ウェットランド」で、大きなくちばしと魔力的なまなざしを間近で。
・ レッサーパンダ(EN)
「アジアの森」で暮らす。寒さに強く、涼しい季節は活発に動き回る姿が見られる。
那須どうぶつ王国
住所:栃木県那須郡那須町大島1042-1
入園料:通常期間 大人(中学生以上)2,900円、こども(3歳〜小学生)1,300円/冬季期間 大人2,000円、こども1,000円、3歳未満無料
営業時間:通常期間 平日10:00〜16:30、土日祝9:00〜17:00/冬季期間(12月中旬〜3月中旬)10:00〜16:00
休業日:水曜(冬季は主に火〜木曜)※公式サイトの営業カレンダーを確認
動物園は、絶滅の危機にある動物たちを守り、未来へつなぐ大切な場所です。引っ越しや赤ちゃんの成長で、今しか見られない姿もたくさん。親子で会いに行き、生き物を守るためにできることを話し合うきっかけにしてみてはいかがでしょうか。













