お祭りの楽しみ方&親子で行きたい!全国の秋祭り5選

何百年と続く「お祭り」は、その土地ならではの文化や歴史をわかりやすく体験学習できる催しです。そこで、お祭り見学のプロ、お祭り評論家の山本哲也さんに、子連れでお祭りに参加する際のポイントやオススメの秋祭りを聞きました。


祭りの目的を知って、その土地の特性や歴史を学ぼう

「お祭り」と一言でいっても、さまざまな目的があるもの。

「農業が盛んな土地では豊作祈願や収穫感謝祭。漁業が盛んな土地では大漁祈願祭。商業が盛んな土地では商売繁盛や地域の繁栄祈願祭など、そのお祭りの目的(神仏になにを祈り、なにに感謝するか)だけを見ても、その土地の特性や歴史がよくわかります。」

例えば、商業が盛んだった土地のお祭りには山車が出回ることが多く、それはその土地と京都の交流があった証拠なのだとか。また、お祭りは土地の記憶や歴史ばかりでなく、季節のうつろいも教えてくれると山本さん。

「農村部では春に『お田植え祭り』、夏には田畑の病害虫の退散を願う『虫送り』、秋には収穫に感謝する『新嘗祭(にいなめさい)』などがあります。同じ時期のお祭りでも『夏祭り』になるか『秋祭り』になるかは、目的によって異なります。」

たとえば、9月の第一日曜日に行われる京都・松尾大社の『八朔祭』は、農作物が台風や病害虫の被害に合わないよう祈願するお祭りだから「夏祭り」。一方、同じ9月に行われる大阪の『岸和田だんじり祭』は収穫感謝祭だから「秋祭り」になります。よって、岸和田だんじり祭には、夏祭りの盛装である浴衣を着て訪れる人はほとんどいないのだとか。

お祭りに参加しながら、土地の歴史を一緒に学び、季節の足音に耳を澄ませてみることが、子どもの学びに繋げるポイントのようです。

「親御さんが文献やインターネットなどで、その祭りの起源や目的について調べて、お子さんと共有してから出掛けると、祭りからの学びがより深くなりますよ。」


まずは地元の祭りを体感しよう!

ただ、有名で大きなお祭りになればなるほど、混雑するもの。幼い子ども連れで参加するにはハードルが高いものも多いそう。

「旅行をしてでも見物する価値のあるお祭りは、季節を問わず全国各地に存在します。しかしながら、子連れの見物客にとって、土地勘のない場所の混雑したお祭りは危険がいっぱい。お子さんが迷子になってしまったり、トイレの行列が進まず我慢できなかったり、喧嘩祭りなどでは山車や神輿が人垣に突っ込んで来ることも…。」

子どもが小学校高学年になる頃までは、親子共に路地裏まで知り尽くす地元の祭りや、祖父母の住むなじみの深い土地のお祭りに参加して、生まれ育つ土地のルーツを知るのがおすすめ」と山本さん。

「地元の祭りならお子さんが山車や神輿などに参加することもできます。代々続いてきた神事に参加することで自ら伝統を受け継ぎ、風習を学ぶのもいいものです。」

地元のお祭りに参加して、お囃子の音を聞いたり、お神輿を見たりして、お祭りの雰囲気を感じ取るだけでも、子どもにとっては良い経験となります。いきなり混雑する大きなお祭りに飛び込むよりも、子どもが幼いうちは地元のお祭りを通して「お祭りは楽しいもの」というイメージを作ることが先決のようです。

まずは勝手知ったる近所のお祭りに参加し、今いる土地の歴史を知ることからはじめましょう。そして、お子さんがある程度の年齢になったら、全国各地を巡って、違う土地の歴史や文化、考え方を祭りから学んでいきましょう。


近隣なら押さえておきたい「親子で行きたい秋祭り」

全国各地数あるお祭りの中でも、比較的子ども連れで行きやすいお祭りは存在します。そこで、山本さんおすすめの「親子で行きたい秋祭り5選」をご紹介します。

埼玉県・川越まつり : 2015年10月17日(土)、18(日)

関東有数の観光地“小江戸川越”が一年で一番賑わう、江戸の「天下祭」の様式を今に伝える山車行事。蔵造りの落ち着いた街並みと豪華絢爛な山車のコントラストに目を奪われる。最大の見どころは「曳っかわせ(ひっかわせ)」。行き交う山車が向かい合わせになり、お囃子の競演をする。
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京都府・時代祭 : 2015年10月22日(木)

京都三大祭のひとつで、“動く時代絵巻”とも称される平安神宮の大祭。明治維新にはじまり江戸、安土桃山、室町、吉野、鎌倉、藤原、延暦と8つの時代の厳密な時代考証をもとに作製された衣装や道具。それらをまとった人・牛・馬の行列、約2000名が約2kmにわたって練り歩く。行列の進むコースは決まっていて、始点終点は混むものの、空いているポイントが見つかれば子連れでも見物しやすい。万が一、お子さんがぐずっても移動しながら見られるゆとりがある。
「時代祭」の詳細はこちら

佐賀県・唐津くんち : 11月2日(月)〜4日(水)

唐津神社の秋季例大祭。「エンヤ、エンヤ」の掛け声で、2〜5トンもの曳山(山車)14台が市内を駆け抜ける勇ましいお祭り。赤獅子や鯛、兜、しゃちほこなどユニークかつ巨大な曳山と祭りの規模の大きさに圧倒される。祭りの期間中、各家庭では豪華なまかない料理が振る舞われるという。実家があるなら、このお祭りを狙って帰省したい。
「唐津くんち」の詳細はこちら

岩手県・秋の藤原まつり : 11月1日(日)〜11月3日(祝)

秋の紅葉が美しい中尊寺にて、剣舞などの郷土芸能や能が舞われる。また、毛越寺では重要無形民俗文化財の延年の舞が披露される。時代行列の名物は、近隣の子どもたちが参加する稚児行列。稚児行列への参加募集は、例年中尊寺のホームページにて行われている。
「秋の藤原まつり」の詳細はこちら

酉の市 

浅草や新宿花園神社ほか関東地方に多く所在する鷲神社「大鳥神社」で行われる、開運招福・商売繁盛を願うお祭り。江戸時代より続く年中行事です。小さなお子さんとも安心して楽しめるのが近所の酉の市。名物は、運を「かっ込む」&福を「はき込む」といわれる縁起熊手。お近くの酉の市は、地域名+酉の市で検索してみて。

ここでご紹介したお祭り以外にも、10月〜11月は数多くの秋祭りが開催されます。近所でお祭りがあれば、ぜひ親子で訪れてみてくださいね。

※掲載の内容は、記事公開時点のものです。変更される場合がありますのでご利用の際は事前にご確認ください。

お話しを聞いたのは・・

山本哲也さん
お祭り評論家・研究家/「All About」日本の祭りガイド。お祭り評論家として、テレビやラジオ、新聞、雑誌、Webなどで活躍中。祭りの担い手目線・学者目線ではなく、参加者の視点から祭りの情報・楽しさ・奥深さなどを伝え続けている。
お祭り評論家 山本哲也事務所

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