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今年も熱い夏がやってくる!親子で夏フェスへ行こう

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「独身時代は夏フェスによく行っていたけれど、子どもが生まれてからはまだ一度も行けていない!子どもと一緒に音楽を楽しみたい!」そんなパパ・ママは多いと思います。実は最近のフェスには、キッズコーナーが設けてあったり、親子連れにやさしい設備が整っているところが増えています! 

音楽ライターで、自身も子連れでフェスに何度も参加されている青木優さんに、親子でフェスを楽しむ秘訣を教えていただきました。

今、なぜ「子連れフェス」が人気なの?

夏フェスといって真っ先に思い浮かぶのが「FUJI ROCK FESTIVAL」(以下フジロック)ではないでしょうか? 青木さんは、1997年にフジロックが開催されてから、なんと毎年参加しているヘビーユーザ! 最近は子連れでフェスに参加する人も増えており、青木さん自身もお子さんと一緒に参加しているそう。

フジロック以降、日本でも音楽フェスが盛んになってきましたね。そして徐々に、親子での参加や子ども連れをよく目にするようになりました。子どもと一緒に、のんびりゆったり音楽を楽しんでいる様が、なんだか素敵だなぁと独身時代から感じていました。自分も結婚して子どもが生まれたら、家族でフェスに行ってみたいな、と自然に思うようになったんです。」

とはいえ、仕事の取材でフェスに参加するときと、プライベートとして家族で楽しむときは、しっかりと区別をしているとのこと。

「フェスにはタイムスケジュールがあり、どのステージでどのバンドがいつ出るかを事前にチェックして行くのですが、仕事で行くとかなりのハードスケジュールになってしまいます。でもこれって、本来のフェスを楽しむ姿ではない気がするんですよね。なので、家族で参加するときは、心とスケジュールに余裕を持って、あくまでもフェス全体の雰囲気や、自然の中で音楽をゆったり楽しむことを重視しています。」

大人だけでの参加とはまた違って、親子でフェスに参加するのにはいろいろなプラスの点がありそうです。具体的にはどんなメリットがあるのでしょうか?

親子でフェスに参加するメリット

何よりも、親子で一緒に外で音楽を楽しむという、非日常的な空間が味わえるということ。親子でその想い出を共有できることですね。もちろん、お子さんがそもそも音楽にあまり興味が無かったり、お出かけがあまり好きではない場合はオススメしません。あくまでも、家族全員の意志を尊重して計画を立てることが第一です。」

「我が家の場合は、幼い頃から音楽を聴いたり、大道芸を見たりすることが大好きな子どもだったので、休日にプロ・アマチュアを問わず、いろいろな場所で開催されている音楽イベントやフリーライブを見つけては参加して過ごしていた延長で、フェスにも行くようになりました。最近のフェス会場には子どもが楽しめるコーナーが用意されていますし、フジロックなどはライブを聴く以外に自然との触れ合いも十分に楽しめます。」

「またフェスに参加するとなると、暑さ対策や子どもが快適に過ごせる方法など、あらゆるシミュレーションをして出掛ける必要があります。そういった経験は、今後子どもと一緒に長期で旅行に行くなど、様々なお出掛けをするときに生かせると思います。」

実際に、この夏休みに親子でフェスデビューしようと思っている方に向けて、青木さんにオススメの夏フェスを紹介してもらいました。


親子で夏フェスに行こう! 子連れにおすすめのフェス

▼FUJI ROCK FESTIVAL/新潟県湯沢町苗場スキー場

「やはり第一に、フェスの先駆けといえるフジロックですね。我が家は2006年から娘を連れて毎年参加していて、今年で10回目となります。うちの娘はかなりベテランなんです(笑)。フジロックには、キッズランドという子どもが遊べるスペースがあるのですが、この周辺にはアスレチックがあったりプールや滑り台、メリーゴーランドが設置されています。」

「それから、ドラゴンドラというロープウェイに乗って山頂にのぼると、DAY DREAMING and SILENT BREEZEというエリアが。ここは下のステージとは別世界で、本当にゆったりとした空気が流れています。『あやしい3人組』というバンドの演奏が始まったり、トラやライオン、カッパやパンダ(の着ぐるみ)がいたり。他にもラジオ体操や大縄跳びなんかも行われています。ケーブルカーで片道約30分弱かかるので、往復の時間もスケジュールに入れて、是非お子さんと楽しんでほしいエリアです。

▼RISING SUN ROCK FESTIVAL/北海道石狩湾新港樽川ふ頭横野外特設ステージ

「少し遠いですが、北海道で開催されているライジングサンも家族連れが多いフェスで有名。家族でキャンプを楽しみながらフェスが楽しめます。こちらはキッズガーデンというエリアがあり、子どもはここで存分に遊ぶことができます。大人も楽しめますよ! ただし、フジロックのキッズランドも同様ですが、あくまでも保護者同伴で楽しむエリア。子どもを預けて親はライブへ…ということは出来ませんので、ご注意を!」

子連れフェスデビューでいきなりキャンプ泊は要検討

なお、上記2つのフェスはキャンプを楽しむことができますが、「家族でフェスに初参加で、いきなりキャンプ泊というのは少し大変だと思います」と青木さん。

「元々キャンプ慣れしているご家族なら別ですが、もしあまりアウトドアの経験がない場合は、テントを張ることだけでもコツがいりますし、野外で眠ることに慣れていない子どもも多いでしょう。その場合は、無理をせずホテルに泊まることをオススメします。実際我が家も、毎年フジロックに参加する際は近くのホテルを予約しています。その分、宿泊先から会場までの時間も計画に入れておいてくださいね。」

日帰りで参戦できる親子におすすめの夏フェス

都市部で開催の夏フェスなら、日帰りでの参加もOK! キッズスペース、親子向けワークショップもあって楽しめます。是非チェックしてみてくださいね。

▼WORLD HAPPINESS/東京夢の島公園陸上競技場▼SUMMER SONIC/東京:QVCマリンフィールド&幕張メッセ、大阪:舞州サマーソニック大阪特設会場

フェスに行く前にやっておくべきこと

行く前からワクワクが止まらないフェス! でも、親子で楽しむためには、事前準備が必要不可欠。どんな点に注意すべきでしょうか?

「まず、どのフェスに行くか決める際に、一番理想的なのは、これまでに自分が行ったことのあるフェスを選ぶことですね。会場の様子やステージの感じなど、体験したことがあると諸々想定しやすいです。出発前にはトイレの場所や小さなお子さん連れなら授乳室、オムツ替えスペースなどは必ずチェックを。」

「家から車で会場まで、駐車場から会場内に入るまでどのくらいの時間が必要か、電車で行く場合なら駅からかかる時間などを細かく下調べして、スケジュールを立てておくと当日焦りません。計画を立てる際には、とにかく子ども最優先で。子どものお昼寝や食事の時間のことを考えながら予定を立てておくと、空腹や睡魔のグズり予防になります。」

また、フェスが行われるのは真夏。雨や暑さ対策なども万全にしておくことが大切だとか。

「山間部は特に天気が変わりやすいので、夏場といえども一枚羽織れる物を用意しておくべきですね。歩きやすい靴で行くことも重要です。そして、天候の急な変化や体調不良など突然のトラブルもフェスにつきもの。予めあらゆる事態を想定し、雨具や薬などを準備しておくことがとても大切です。」

では、そういった「いざという時」に困らないために、持って行ったほうが良い物を具体的に教えてもらいました。

熱中症や日焼け対策グッズなど、あると便利な持ち物

普段から持ち歩いている子どものお出掛けグッズはもちろんですが、その他持って行くと便利なグッズは何でしょうか?

熱中症対策のグッズ、帽子や日焼け止めなどは必需品です。また野外のフェスであれば、虫除けアイテムなどもあると助かります。各イベント会場には救護室が必ずありますが、ある程度のトラブルには自分で対応できるように、常備薬や絆創膏などは持参しておくといいと思います。大きな音に慣れていない子どもには、イヤホンや耳栓があるといいかもしれませんね。それから、野外ですと砂埃が起こって視界が遮られることがよくあるので、お子さんには少し注意してあげるといいと思います。」

「こう考えるとどうしても荷物が多くなってしまいますので、大荷物を持って長距離歩くことを想定して、ベビーカーや背負子などを用意していくのも手ですね。」

やはり、様々な事態を想定して、もしものために細かな準備を怠らないことがポイントのようですね。

「年々、子どもと一緒に音楽を楽しもうという家族が増えてきていて、フェス運営側も寛容に受け入れてくれていると感じています。とはいえ、子連れでの参加はそれだけで気を遣うことも多く、時には周りに迷惑をかけてしまうことも。あくまでも子どもの調子や健康状態を優先に考え、無理をしないこと。そして周囲にも気を配って参加することで、より楽しい想い出が作れると思いますよ。」と青木さん。

親子でのフェス参加、事前準備と心構えさえしっかりしておけば、そんなにハードルは高くないようです。普段とは違った貴重な経験も出来ますし、ぜひ今年の夏休みは家族でフェスに出掛けてみませんか?

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お話しを聞いたのは・・

青木優さん
音楽ジャーナリスト・ライター。1966年島根県生まれ。東京都文京区在住。洋楽・邦楽のロック、ポップスを中心としたインタビューやレビューを執筆。現在の主な活動媒体は雑誌『テレビブロス』『音楽と人』『WHAT’s IN?』、エンタメ業界誌『オリジナルコンフィデンス』、音楽サイト「REALSOUND」など。育児に携わった経験から、2006年よりブログ・コラム「子育てロック」をスタート、幅広い世代に支持されている。
青木さんのブログ「子育てロック」