赤ちゃんが生まれて育児生活がスタート。ずっと家にいると息が詰まってしまうけれど、外を連れ回すのも心配。親子で安心して過ごせる楽しい居場所があったらいいのに…。そんな風に感じているママさん、必見! 兵庫県神戸市にママとベビーのためのマンガカフェがオープンしたとの情報をキャッチして、早速足を運んでみました。
大好きなマンガを生かしてママのための居場所を
ママとベビーのためのマンガカフェ「タマんち」のオーナーは、山本真知子さん。
8歳と5歳の2児の母親でもある山本さんは、下のお子さんが小学校に上がるまでに、親子の時間をより多く持てる働き方にシフトしようと考えていたそうです。そこで目指したのが、大好きなマンガと自身の育児経験を生かしてお店を持つこと。
「趣味で集めた大量のマンガを使って何かできないかと考えた時、自分が子育てを始めたばかりの頃にマンガ喫茶に行きたかったことを思い出したんです。そこで、まずは公共の場所を借りて、月に1回程度、マンガとワークショップを楽しめるイベントを始めました。実験的な試みでしたが、予想以上にたくさんのママさんと赤ちゃんにお越しいただいて、需要があることを実感。かつての自分と同様、気軽に出かけられる場所を求めている方が多いことに励まされ、イベントを1年続けて店舗オープンに踏み切りました。」
手作り感のある温かい空間にマンガ1,000冊がズラリ!
JR・阪神元町駅にほど近いビルの5階。ドアを開けると、明るく優しいナチュラルな雰囲気が広がります。曲線的なラインが目を引く本棚には、1,000冊ものマンガの他、大人向けの本、子ども向けの絵本やおもちゃもおしゃれにディスプレイ。どれも、店内で自由に閲覧・利用することができます。「一番のこだわりは、この本棚。お店を開くにあたって、どうしても天井までの壁面本棚が欲しくて、別のイベントで知り合った若いデザイナーさんに依頼をしたんです。全面的に設計をお任せしたら、こんなに遊び心のある素敵なものを作っていただけて大満足。
オープン直前には『内装DIYイベント』を設けて、スタッフとお客様が一緒になって床やタイルを貼ったり、モビールやガーランドを飾ったり。手作り感ある温かい空間になったと思います。」
利用は大人の女性とハイハイできない赤ちゃんに限定
そうして生まれた「タマんち」には、ママとベビーのための工夫がいっぱい。まず、利用者は、大人の女性とまだハイハイできないゴロンゴロン赤ちゃんに限定。動き回ったり歩き回ったりする子どもの存在を気にせず、安心してくつろいでもらうことが目的だそうです。
飲食物は、持ち込み自由。無農薬野菜のスープや自家製のパン、有機栽培のカフェインレス珈琲やママ向けのハーブティーなどのメニューもあるので、現地で注文してもOK。飲食時間の制限はないため、赤ちゃんの状況に合わせて食事やおやつを楽しめます。
また、授乳ケープやおむつ替えマットも常備されており、いつでもその場で赤ちゃんのお世話ができるところも高ポイント。さらに、ベビーコスプレ写真撮影、おもちゃ作り、親子ヨガなどのワークショップも随時開催。
マンガを読むこと以外にも、希望次第でいろいろな体験に参加できます。料金設定は、1時間以内600円、1日1,000円(メンバー料金、別途要入会金・年会費1000円)、月間フリーパス券3,500円(入会金・年会費込)。途中で赤ちゃんと一緒に用事を済ませて、また帰ってくる、などフレキシブルな利用も可能。
取材当日、お店を訪れていたのは、3カ月〜6カ月の赤ちゃんを連れたママさんたち。みなさんに感想をお聞きすると、「思ってた以上にアットホームで、まるで友人の家に遊びに来たみたい」「まだ長時間、遠くまで出かける自信はないけれど、引きこもってばかりでは子どもも退屈そう。親子でのんびり楽しめる場所を見つけられてうれしいです」「いろいろなイベントに参加するのも楽しみ!」「今日のコスプレ写真撮影もいい記念になりました」と、大好評でした。ワークショップなどを通し、ママ同士の交流の場にしたい
今後は、本の貸し出しやワークショップのさらなる充実化を検討中だという山本さん。
「みんなで好きな本を持ち寄ってオススメし合ったり、赤ちゃん連れで行きやすい場所について情報交換しながらお出かけマップを作ったりするのもおもしろいかなと思ってるんです。せっかく小さな赤ちゃんがいるという共通点を持つ方が集まるわけですから、お客様同士の交流が生まれるような機会が設けられればと。」
「もちろん、マイペースにまったりマンガを読みたいだけの方も大歓迎。『誘い合わずに自分都合でプラッと入れるママの場所を作りたい』というのがコンセプトなので、育児の合間に立ち寄って、思い思いに過ごしていただけたらうれしいです。」
赤ちゃん連れの外出には、安全に過ごせる空間はあるか、泣いたりして周りの人に迷惑をかけないか、授乳やおむつ替えをする設備はあるかなど、ハードルが山積み。子どもにとっての条件が優先されるため、母親が食事やおしゃべり、ましてやマンガをゆっくり楽しめるなんて夢のようですよね。
育児を始めたばかりの新米母親である筆者も、息子と一緒におもちゃ作りに参加したり、息子が眠っている間にマンガを読んだりと、こちらの魅力を満喫。その居心地のよさに、息子がハイハイを始めるまで何度も訪れることを確信したのでした。