生き物が好きな子供の興味をさらに深めるのに、水族館は格好のスポット! いきものたちの生態や海や川といった生活環境、人との関わりなどについて、工夫をこらした展示やショーなどをとおして楽しみながら学べます。
そこで今回は、「いこーよ」おすすめの水族館として、東京都品川区にある「しながわ水族館」(通称しな水)をピックアップ! 館内の展示はもちろん、イルカショーやエサやりイベントなど、本スポットの魅力をくまなく紹介します。
取材日:2021年7月16日(金)
「しながわ水族館」とは?
東京都品川区にある「しながわ水族館」は、しながわ区民公園の敷地内にある水族館です。東京湾や日本周辺に棲む魚を中心に、ペンギンやアシカ、アザラシ、カワウソなどにも出会えます。
小さな子供が見やすいように水槽を低めに設置するなど、子供から大人まで楽しめるスポットです。
京浜急行「大森海岸駅」から徒歩約8分。駅前の歩道橋を渡ったら左(北)へ道路沿いに歩道を歩いていくと、しながわ区民公園の入り口に大きなイルカのオブジェがあるので、そこを入っていきましょう。
しながわ区民公園の敷地内に入ったら、池に沿って右手に進んでいくと、「しながわ水族館」の建物が見えてきます。
イルカショーにエサやりも! 多彩なイベントが楽しめる
「しながわ水族館」では、イルカやアシカ、アザラシといった人気者たちのショーをはじめ、水族館の裏側潜入ツアーやエサやり体験など、さまざまなイベントを毎日実施しています。
到着したら、館内に掲示されているイベントのタイムテーブルをチェックして、気になるイベントの開催時間をチェックしておくのがおすすめです。とくにえさやり体験は参加できる人数に限りがあるので、早めに申し込んでおきましょう。
イルカショー
「しながわ水族館」に来たらやっぱり見ておきたいのが、1階のイルカ・アシカスタジアムで行われるイルカショー。水槽の正面と向かって左手(しもて)側に客席があります。水飛沫が飛んでくる最前列は迫力満点です。
スタッフさんがヒレや泳ぎ方の特徴を説明すると、イルカたちがわかりやすく泳いでみせてくれます。
見事なジャンプを披露するイルカに子供も大人も思わず興奮! イルカたちのパフォーマンスに会場からは歓声が上がります。
仲良く並んで立ち泳ぎする、かわいい姿も見せるイルカたち。
高い位置にあるボールにジャンプしてヘディング! 約7分間で、イルカのかわいらしさだけでなく、賢さや身体能力の高さも存分に実感できますよ。
■イルカショー開催時間
【平日】11:30、13:30、15:30
【土日祝日】11:00、12:30、14:00、15:30
アシカショー
イルカ・アシカスタジアムでは、アシカのショーも見られます。トレーナーが投げる輪っかを上手にキャッチ!
■アシカショー開催時間
【平日】14:30
【土日祝日】11:45、14:45
いきものトーク
「いきものトーク」は、生き物たちの生態を飼育スタッフがわかりやすく教えてくれるイベントです。1日の間に場所を変えて複数回実施されます。
写真は「共生水槽」でのトークの様子。クマノミとイソギンチャク、ハゼとテッポウエビなど、お互いの生態を利用しあいながら共存するいきものたちについて話してくれました。
■「いきものトーク」開催時間
【平日】12:00、13:00、14:45、15:00
【土日祝日】10:30、12:00、13:00、14:00、14:45、16:00
開催場所:
「共生水槽」クマノミ
「海の宝石箱」サンゴ礁の魚たち
「ペンギンランド」ペンギン
「テッポウウオ」テッポウウオ
「珍しい魚たち」デンキウナギ
「群れを作る魚たち」イワシ
※生き物の状況により変更の場合あり
えさやり体験
魚やカワウソ、アザラシにゴハンをあげられる「えさやり体験」(500円)は、4歳以上から参加できます。参加するには、水族館1階の「受付カウンター」で申し込みが必要です。
今回はオオカミウオ(写真)へのエサやりを体験!
イベント参加者は、エサやりの対象によっては水族館の裏側に入れることも。そこでエサとなる魚やエビを受け取ったら、水槽がのぞきこめる場所まで上がります。
普段はじっとしていてあまり動かないオオカミウオ。しかし、エサを水槽の中に入れると、さきほどまでじっとしていたのが水面に上がって食いついてきます。
旺盛な食欲に急かされるままにあげていたら、あっという間にたいらげてしまいました。いつもは水槽越しでしか見られない魚を、間近で見られるのは貴重な体験です。
アザラシへのエサやりも大人気です。この日に登場したのは「さくら」ちゃん。飼育員さんが見本を見せたあと、子供たちの手からも上手にエサを食べていました。
■「えさやり体験」開催時間
【平日】11:45(魚)、13:15(アザラシ)、13:45(魚)、15:45(魚)、16:00(カワウソ)
【土日祝日】10:45(魚)、11:45(魚)、12:45(魚)、13:15(アザラシ)、13:45(魚)、14:45(魚)、15:45(魚)、16:00(カワウソ)
料金:500円
受付:水族館1階「受付カウンター」
身近な海の生き物が見られる「1F海面フロア」
「しながわ水族館」は、1階の「海面フロア」と地下1階の「海底フロア」に分かれています。まずは海面フロアの見どころを紹介!
東京湾に注ぐ川
受付を済ませて最初に見られる展示が「東京湾に注ぐ川」。大きなミズナラの木が目印です。
イワナやヤマメ、ギンブナにドジョウなど、川で生きる魚たちが泳いでいます。森から川に水が集まって海に注いでいく、いのちのつながりの最初のコーナーです。
品川と海
護岸工事が施された現代の品川の海をジオラマとともに再現した水槽です。東京湾にどんな魚が暮らしているのかがわかります。
潮の満ち引きと生物
潮の満ち引きを再現し、時間によって水面の高さが変わる水槽です。潮だまりにはヒトデやイソギンチャクの姿も見られます。
小さい縞模様の魚は岩場を好むカゴカキダイ。
ムサシトミヨ
日本全国の水族館や動物園では、それぞれの館が絶滅の危機に瀕した生き物たちの保護や繁殖を行なっていて、「しながわ水族館」ではトゲウオ科の淡水魚「ムサシトミヨ」を育てています。現在では埼玉県の元荒川上流にのみ生息している魚です。
ペンギンランド
イルカ・アシカスタジアムを通り過ぎると、ペンギンたちのエリアです。「しながわ水族館」では、南アメリカの沿岸に生息するマゼランペンギンを展示しています。
飛ぶように泳ぐペンギンたち。かわいい仕草をじっくり観察できますよ。
アザラシ館
ペンギンランドの先にある独立した建物が「アザラシ館」です。1階部分の岩場では、陸に上がったアザラシたちがのんびり休んでいる姿を見ることができます。
地下の水槽につながる穴をのぞくと、きれいにハマっているアザラシが!
陸にいるときとはまったくちがう俊敏な動き!
さっきハマっていたアザラシもそのまま下から観察できました。
大海原へのいざない
「アザラシ館」を出て、順路通りに進んでいくと、最初にいた建物に戻ります。写真の窓の向こうは水量500トンのトンネル水槽。上から生き物たちの様子を見ることができます。
ゆったりと泳ぐアオウミガメを発見。
群れをつくる魚たち
3つ並んだ水槽では、それぞれ群れで生活する魚たちを展示しています。
こちらはマイワシの水槽。みんな同じ方向に向かって泳いでいます。
泳ぐマイワシ。食卓にも上がる魚が生きて泳ぐ姿を見られるのは、子供の食育にもつながりますね。
同じコーナーに、サクラダイ(写真)とシキシマハナダイの水槽もあります。
東京湾に棲む生物たち
東京湾の海底にいるイソギンチャクやサンゴの仲間たちが見られる水槽です。
東京湾は、汚染されていた一時期と比べてだいぶ水がきれいになった結果、さまざまな生き物が戻ってきたそうです。この水槽からも豊かさが戻ってきた東京湾の様子をうかがうことができます。
イカ・タコの仲間
イカやタコなど、頭足類と呼ばれる軟体動物を展示する水槽もあります。
海の中の世界がわかる「B1海底フロア」
順路は地下1階に続いていきます。階段を降りると目に入るのが大きなトンネル水槽です。
1階で上から眺めた水槽を貫くように通路があり、海中を散歩しているような感覚で楽しめます。
アオウミガメを今度は下から!
エイのお腹もよく見えます。
冷たい海の魚たち
ここにある3つの水槽では、寒くて水温の低い地域の生き物と、光の届かない冷たい深海の生き物たちが泳いでいます。意外と食用としてなじみ深い魚も。
クラゲたちの世界
薄暗い部屋に進むとそこはクラゲたちのエリア。ミズクラゲやタコクラゲなど、種類ごとに分けて展示されています。
写真の水槽は前後にスペースがあり、クラゲが泳ぐ水槽越しに写真が撮れます。フォトジェニックな写真にチャレンジしてみて♪
テッポウウオ
このエリアでは、東南アジアやオーストラリアの河口に生息するテッポウウオを展示しています。水槽の中には2種類のテッポウウオ。見分けがつきますか?
海の宝石箱
暖かい海に広がるサンゴ礁を再現。サンゴ礁では明るい体色が保護色になるため、ほかとは違うカラフルな魚がたくさん暮らしています。
エサやりタイムのコンゴウフグ。ほかにも愛嬌のある魚たちがたくさん!
世界の大河から
こちらは熱帯のアマゾン川を再現した水槽です。
3匹並んでいるのが大型淡水魚のコロソマ。意外とおとなしい性格だとか。
イモリの仲間のマダラサラマンドラは、「世界の大河から」前の水槽で展示されています。
珍しい魚たち
小さな水槽が並んだこちらのエリアでは、世界中の珍しい魚たちを紹介しています。
最大で400Vもの電気を放電するデンキナマズ。大きくなると全長120cm、体重20kgにもなるのだとか。正面から見ると愛嬌あるかわいらしい顔をしているのでチェックしてみてくださいね。
向かいにも少し大きな水槽がならびます。
オーストラリアとニュージーランドに挟まれたタスマン海の生物たちを展示。縦縞でヒレが大きな魚はオールドワイフ。
アシカ“海のライオン”
ショーでおなじみの人気者アシカを、水槽越しに目の前で観察できます。泳いでいるところを横から見られるのも見どころ。
共生水槽
生き物同士の共生関係をテーマにした水槽です。
クマノミとイソギンチャクは相利共生といって、ともに助け合って暮らしています。
カワウソ“小さな狩人”
2021年7月17日(土)に新登場した「カワウソ“小さな狩人”」は、「サンシャイン水族館」からやってきたコツメカワウソの「ニコ」と「シュラ」が見られるコーナーです。
陸上で走り回る姿と水中を上手に泳ぐ姿の両方が見られるようになっていて、かわいい仕草をたっぷり見られます。
「えさやり体験」(500円)もできますよ(水槽の構造上、身長120cm以上を推奨)。エサを受け取る筒に一生懸命手を伸ばすキュートなカワウソは必見です。
シャークホール
大きな水槽で悠然とおよぐサメの名前は「シロワニ」。全長は最大で4m以上にもなるとか。ほかにも剥製やサメの歯も展示されています。
見どころが多数あるので、ひとつひとつの水槽をじっくり見ているとあっという間に時間が過ぎていきます。休憩を取りながら楽しみましょう。
なお、チケットを持っていれば、当日中は何回でも再入館が可能です。
食事や買い物ができる館外の施設もチェック!
水族館には、食事処やお土産などが買えるお店が設置されているところも多くありますが、「しながわ水族館」は建物を出てすぐのところにレストランやショップがあります。
レストランドルフィン
水族館の手前にある、池に浮かぶ六角形の建物が「レストランドルフィン」。ハンバーグなどが乗った「わんぱくキッズプレート」をはじめ、洋食・和食・中華と幅広くメニューがそろっています。天気のいい日は開放的なテラス席で食べるのもおすすめ!
ドルフィンカフェ
「ドルフィンカフェ」では、ドリンクやソフトクリームなどを販売。雲の形をイメージしたちぎりパンを使った、7種類の具から選べる「にじいろ雲パンサンド」も人気です。
すぐ横に屋根付きのウッドデッキがあるので、そこのテーブル席に座ってゆっくり過ごせます。水族館見学後なら、買ったものを片手に公園で散歩を楽しむのも手。
マリンショップ「シーガル」
マリンショップ「シーガル」では、「しながわ水族館」のオリジナルグッズを中心に、ぬいぐるみやお菓子など、海の生き物をモチーフにしたアイテムを販売しています。
店内にはさまざまなグッズやお菓子が並びます。箱を開けるとアザラシ柄の個包装がキュートなシフォンケーキ「プクまるあざらし」や、かわいいチンアナゴやクラゲが描かれた「アニマルクッキー缶」など、思わず買いたくなるアイテムばかりですよ。
水族館で見た生き物たちがかわいいぬいぐるみになってせいぞろい。水族館に来た記念のおみやげにぴったりですね。
「しながわ水族館」オリジナルキャラの「しなフィン」のぬいぐるみも。味わい深い表情が魅力的です。
お手頃価格がうれしいオリジナル商品「しながわ水族館サクサクキャンデイ」もおすすめ。
入館料金・営業時間・アクセス情報
「しながわ水族館」の入館料は、大人(高校生以上)1,350円、小中学生600円、幼児(4歳以上)300円、65歳以上1,200円です。品川区在住・在勤・在学者は割引料金で入館できます。
営業時間は10:00から17:00まで。最終入館は閉館の30分前です。
アクセスは京浜急行線の「大森海岸駅」から徒歩約8分。または、JR京浜東北線「大森駅」北口改札から徒歩約15分です。
気軽におでかけできる都会の水族館ながら、ショーやイベント、多彩な水槽と見どころいっぱいの「しながわ水族館」。ぜひ家族でおでかけしてみてくださいね!
■「しながわ水族館」概要
所在地:
料金:大人(高校生以上)1,350円、小中学生600円、幼児(4歳以上)300円、65歳以上1,200円
営業時間:10:00〜17:00(最終入館は閉館の30分前)
定休日:火曜(祝日、春休み、GW、夏休み、冬休みは営業)、1月1日
アクセス:京浜急行線「大森海岸駅」から徒歩約8分。JR京浜東北線「大森駅」北口改札から徒歩約15分
※ショーやイベントの内容は、生き物の状況により変更となる場合があります